ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE 女たちの事件簿

「公務員辞めるなら、教育費全部返せ!」心療内科に通う子供より世間体を重視。毒親に待っていた「悲劇の結末」

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録
不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

「公務員一家で育ったので、自分も公務員の道を選びました。しかし3年目で体調を崩してしまい休務。退職するのを考えていたら両親がブチ切れて、公務員を辞めるなら今までの教育費すべて返せ!とまで言われたんです」

ため息をつきながら話すのは、地方在住の大西裕哉さん(仮名・27歳)だ。

大学在学中から公務員予備校へ通い懸命な勉強の末、念願だった地方公務員の行政職へ合格し、市役所で勤務していた。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は言う。

「新型コロナウイルスの流行をきっかけに、地方公務員の志望割合は21年卒からの3年間、徐々に増加傾向になっています。

ある人材派遣会社が、大学生1,790名を対象に公務員イメージ調査を実施したところ、公務員就職を考えている人・考えていたけれど辞めた人の割合は8割以上に及びました。志望理由としては『安定しているから・福利厚生が充実しているから』といったものが多く見られます。

また、地方になるほど公務員人気は高く、倍率15倍の職もあるくらいです」

目指していた公務員になり希望に満ちあふれていた裕哉さん。実際に公務へ携わってみると理想と現実のギャップが大きく、精神を病んでしまった。

今回は、公務員一家で育った男性の「生き方」について詳しくレポートしたい。

※この記事は取材に基づいたものですが、プライバシー保護の観点から、構成・編集に配慮していますことをご了承ください。

・・・・・・・・・・

「私の家系はみんな公務員です。祖父母・両親ともに地方公務員、叔父や叔母は教員です。恥ずかしい話ですが、そのような環境で育ったので公務員以外の仕事をあまり知らなかったんですよね......。高校の卒業文集にも、将来の夢は県庁か市役所勤務と書くほどでした。

実際、就職活動はしなくて大学3年の春から公務員試験の予備校へ通い、試験に向けて勉強。周りが公務員なので、自分も公務員になるのが当たり前という感覚でしたね」

裕哉さんが暮らす地域は公務員志望の学生が多く、予備校へ通う友人も多かったという。

裕哉さんは、公務員試験の勉強に励んだ結果、第一志望だった市町村での採用が決まった。

「公務員は9時から17時までの業務で楽だろうと思っている人が多いかもしれませんが、実際は全然違います。部署や担当している業務にもよりますが、サービス残業が多いんです......。

残業代は各課で持っている予算があるので、予算オーバーしたらそのぶんはサービス残業になる。営利目的じゃないので、残業代は各部署の予算に影響するんですよね。詳しい業務内容は伏せますが、僕が担当していたのは福祉系で、残業が多い月を時給換算すると500円のときもありました(笑)」

目標にしていた公務員の仕事、憧れの市役所勤務だったが現実は理想とかけ離れたもので、3年目を迎えたころには体調不良に悩まされるようになった。

「急に、職場に足が向かなくなったんですよね。動機がするというか。パワハラとかがあったわけではないです。というか、忙しすぎてパワハラされても気づかないレベルで業務が膨大な量なんです。

僕が座っていた席に、かつて座っていた職員みんなが体調不良になったという話も聞いたことがあります。当時は実家に住んでいたので、母から心療内科へ行ったほうが良いと言われて受診したんです」



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5