施設で暮らす父のもとへは、可能な限り会いに行きたいという日菜子さん。
「数か月も会わずにおくと、私のことも忘れてしまうんじゃないかと不安なんです。免許の返納をすると父が決めた時、そのあと父を襲うであろう空虚さとか寂しさとか、そういうものをもっと予想して、何か対策できたんじゃないかって、そればかり考えてしまいます」
地方在住の高齢者が免許を自主返納することには多くのハードルがある。しかし、事故のリスクを考えれば、返納は少しでも早くすべきというのは事実。免許を返納した後も交通手段に困らないような制度とサービスの拡充はもちろん、自動車を運転しなくても得られる楽しみや生き甲斐を周囲も一緒になって考える必要がありそうだ。
TEXT:中小林亜紀
RANKING
1
2
3
4
2
3
4
5