診断の結果、父には脳の萎縮が見られると医師からはっきり言われた。アルツハイマー型の認知症は通常はさほどスピーディーに進行しないというが、日菜子さんの父は異例的に進行が速く、よほど一度に強いストレスを受けたのではないか、という話だったそうだ。
「覚悟していましたが、私もショックでした。父は行動的でかっこよくて、頭のキレる人なので。でも不安でいっぱいになっている母の前で涙をこぼすわけにも行かず、堪えました」
日菜子さんは一旦家族のもとへ戻ったが、そこからの父は転がり落ちるようにして弱っていった。母親は毎日のように泣いて電話をかけてきた。
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