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「ジャニーズの会見が、自分と重なった」ウラの世界に足を踏み入れた21歳の「禁じられた遊び」

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豊さんは続ける。

「男性客相手の売り専門――略して『ウリ専』と呼ばれる仕事でした。
ゲイタウンで有名な新宿2丁目にある『C』というウリ専バーです。
女性用風俗のように女性相手の男性セラピストではなく、男性相手のウリ専は、性行為もさせられます。完全にハメられたと思いました」

すぐさま断ろうと思った豊さんだが、料金システムを見せられて驚いた。
「120分で4万円でした。そのうえ、男性経験のない『初物』と呼ばれる男性には『交渉次第で100万円も可能』と言われたんです」

女性経験はあったものの、提示された金額の多さに、同性と接触する生理的嫌悪など吹き飛んだという。
豊さんは続ける。

「僕はゲイではありませんが、報酬の多さに目がくらみましたね。
ちなみにウリ専は、ホストではなく『ボーイ』と呼ぶそうです。
売り上げの7割がボーイの取り分です。客の中には大物アーティストや芸能関係者もいて芸能界とのパイプもあり、有名人が多い分、プライバシーも守ってくれるとも言われました」
 
稼ぎたい上に、芸能界へのコネクションが欲しかった豊さんは考えた末、「C」で働く決心をした。

「オーナーには『君のような都会慣れしていない、すれていない子は稼げるぞ』『人気俳優〇〇もこの仕事がきっかけで芸能界入りしたんだ』などと言われましたね」

それに加え、同じ風俗でも、リクエストの多い女性用風俗よりも、男性相手のほうが楽だとも言いくるめられました。

「まずはプロフィール写真の撮影からでした。写真は計3枚。上半身裸、ズボンを脱いだブリーフ姿、最後は股間を手で隠した全裸写真です。写真の横に、名前と出身地、身長、体重の他、性器のサイズも明記するよう言われたんです」

サイズも明記するとは驚きである。

「僕も驚きました。ゲイの方はサイズも気にするからとのことで、15センチと書きました。男性なら一度は測ったこともあるでしょう? 本当は14センチくらいかもしれませんが、そこは見栄を張って……。そして肝心の肛門への接触ですが、『NGにすると指名が入りにくい』とのことで、『体調によってはOK』と書くことを勧められました」

豊さんは、店の規則やプレイ内容をひと通り教えられたそうだが、緊張のせいか、ほとんど頭に入っていなかったそうだ。

「ただ、『豊くんのように、ノンケで初々しさのある子のほうが客は喜ぶから』とさかんに言われました。おぞましさもありましたが、とにかく稼ぎの良さに目がくらんでしまって……店のHPには、将来アイドルになった時のことを考えて『顔出しNG』をお願いしたんです」

新宿2丁目のウリ専バー「C」は、店長のタケル(仮名・35歳)という男性が仕切っていた。彼は同店のボーイだったが、30代になって指名客が減ったため、店長として働いているそうだ。

3日後、豊さんの初出勤となった。

「20畳ほどの店内には長いカウンターがあり、ボーイたち十数名がカウンター内に上半身裸で待機させられました。年齢はほとんど20代ですね。可愛い系からマッチョ系、美青年系と様々なタイプがいましたよ。ただ、他のボーイたちと話す時間はありません。彼らも僕を見て『ああ、新人か』程度の目でしか見ていませんでしたね。皆、真剣に稼ぎに来ているのだと感じました」

午後6時、店の開店と同時に、ヒョウ柄のジャケットを着た長髪の中年男性が来店した。
「芸能関係者なのか、すぐにカタギではない人物だと思いましたね。僕はボーイたちとともに上半身裸で「いらっしゃいませ!」と声をそろえて立ち上がりました。こうやってお客様をお迎えするのが店のルールです。
客に歩み寄った店長が僕のほうを見て『新人で初物です』と小声で説明しているのが聞こえて……お客様は僕の体や顔に舐めるような視線を這わせ、品定めしているのがわかりました。イヤな汗が噴き出し、緊張で呼吸が苦しくなって……ただ、稼ぎの良さを考えると、やめようとは思わなかったです」

後編ではウリ専の内情をお伝えしたい。


TEXT:蒼井凜花
 



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