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ジャニーズのような性被害問題は実社会にも…男性からのセクハラに揺れる30代広告マン男性の苦悩

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9月7日、かねてからの問題について、ジャニーズ事務所が会見を開いた。所属タレントの長男とも呼ばれる東山紀之を新社長に迎え、風通しのいい新生ジャニーズを再構築するという。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。

 

「ジャニー喜多川元社長の性加害を初めて認める形になりました。被害者への補償を約束する内容でしたが、経営に関しては素人である東山氏が社長になることやジャニーズという屋号が残ることなど、まだまだ問題は山積みです。業界では知らない人はいないと言われている性加害問題。それをうわさとして聞いていたと述べた東山新社長にはすでに非難も。前途多難です」。

またスポンサー離れも懸念されている。

「性加害という犯罪が与えるインパクトは非常に大きなものです。その結果、CMの起用を見直す動きも出てきています。それから報道する側の責任も問われていますね。被害を報道しなかったことが事態を長引かせたことは明白です。同罪と言われても仕方がない、それほどのことでしょう」。

確かに。身につまされる思いだ。メディアは隠蔽の片棒を担いだと言われても仕方がない。

今回はジャニーズよろしく、ひどい会社の体質に遭遇したある男性から話を聞いた。

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©︎GettyImages

 

 

是山春樹さん(仮名・31歳)は、今年の5月に半年勤めた会社を退職した。理由は会社で起こるある風習に我慢ができなかったからだ。

 

「勤めていたのは、地元の広告代理店です。新卒から勤めた代理店からの転職で入りました。男性社員が僕を入れて10人、女性社員が5人と小さいですが地元ではそこそこ知られる会社です」。

社長は2代目だという。

「めちゃくちゃかっこいい人で、実はこの人からの引き抜きで入りました。現役時代は知らないのですが、社長は大学の先輩で、僕の前職の先輩の同期でそのつてで出会いました。何度か一緒にお酒を飲むなかで転職の話が持ち上がったという感じです」。

春樹さんは社長に憧れの念を抱いていたと話す。
 

「見た目もおしゃれで、どんな人にもフラットでこういう人の元で働きたい!と思わせる人でした。僕は営業なのですが前社での成績もそこそこだったので、わざわざ規模の小さいところに転職することないと元上司にも止められたのですが、確信があったんです。ここならもっと面白くなる!って」。
 

さらに春樹さんにはある事情もあった。

「僕はシングルマザーの1人っ子で、最終的には親と暮らしたいと思ってきました。そんな折、母が転んで骨折をしたんです。今は元気になったのですが、やはり心配もありますし、地元に戻って働きたいと常々思っていたんです。そんなときの誘いだったこともあり、二つ返事で地元に戻りました」。

憧れの社長の元で働きながら、母親と同居する。春樹さんにとっては、夢見ていた未来だ。ところが、そんな夢は脆くも崩れ去ることになる。入社してすぐの歓迎会で、いきなり春樹さんは信じられない場面に遭遇する。
 

「居酒屋の座敷だったんですが、まずは席次に驚きました。20代の社員Aが何も言わず社長の横に座ったんです。その後の振る舞いは、まるでホステス。社長のグラスが空けば、お酒を注ぎ、ちょっと耳を塞ぎたくなるような言葉を投げかけられても笑顔でかわしていました。正直、見ていてるだけで気持ち悪くなってしまうほどでしたが、ほかの社員たちは何も感じていないようで…。同調圧力に気圧されて、そのときは何も言えませんでした」。
 

ちなみにこの社員Aは男性である。
 

「どちらかといえば中性的なタイプでした。いわゆる線が細いタイプです」。
 

彼は一体どんな言葉を受けていたのだろう?
 

「正直、ちょっと口にもしたくないんですが…陰部の大きさについて茶化されているような感じでした。それでも Aは、ヘラヘラ笑いながら、甲斐甲斐しく社長の世話をしていました。せっかくの歓迎会だし、盛り下がることはいえないと思い、僕は知らんぷりをして何も口にはしませんでした」。
 

会も終盤になり、二次会に行こうという話が持ち上がった。春樹さんはあまり気乗りしなかったが、先輩と社長に押し切られる形で参加することになる。
 

「二次会はカラオケでした。この時点で女性社員はみんな帰りました。参加したのは僕や社長、Aを含めて全部で6人。そこでのできごとは、本当に今思い出しても気持ちが悪くて吐き気がするほどです」。
 

そのカラオケは行きつけの店のようだった。

「すごい広い部屋に通されました。予約していたのかな?盛り上げ隊長的な先輩社員が仕切って、お酒を注文して、何曲か入れました。僕はタンバリンを渡されて、それを振りながら盛り上げていたんですが…」。

社長の十八番と思われる曲が入った途端、空気が一変したんだという。
 

「聞いたことないコールが始まったんです。初めは社長を褒めるコールだったんですが、次第に陰部の大きさを褒めたり、性的な部分を褒める内容になっていって…」。
 

春樹さんは耳をうたがった。
 

「これまで何人とヤったとか、セックスの上手さとか、最近も〇〇とホテル行ったとか…信じられないコールが続いて、僕は驚いてしまいました。社長は結婚をしていて、お子さんもいらっしゃいます。でも周りはそれがあたかも当たり前であるかのような態度で手拍子しながらコールをしていました」。
 

次にAの十八番と思われる曲が流れ出すとまた耳を疑うコールが始まったという。
 

「ウケだとか、男にも犯されるとか…。僕にはその先輩がゲイなのかどうかもわかりませんでしたが、もうそれはそれはひどいコールで。でも彼は相変わらずヘラヘラしながら歌い切っていました」。
 

その後もそれぞれおはこに対して、訴えられたら一発アウトのセクハラコールが続いたという。春樹さんは嫌な予感がした。

「今後、この会社にいたら僕の十八番にもこういうコールがつけられるんだと悟りました。死ぬほど嫌でしたが、入社したばかりでしたし、どう振る舞うべきか迷ってしまったんです。セクハラに当たることは理解していましたが。」。
 

結局、その日春樹さんに歌の順番が回ってくることはなかった。
 

「2時頃、解散になりました。社長をはじめ、先輩たちはみんなかなり酔っ払っていて、みんなで股間を触り合ったりして、やっぱり社長すげーとかまるで中学生みたいなことをやっていました。僕も触られそうになりましたがなんとかかわして、順番にタクシーに乗せました」。
 

最後に残ったのは、春樹さんとAだったという。
 

「年は僕の方が上でしたが、一応彼の方がその会社での歴は長いので、先にタクシーに乗るよう促しました。タクシーが来て、乗る間際、彼がひとこと言ったんです」。
 

後編】では衝撃的な一言とその後も続く、恐ろしいセクハラの実態について詳細にリポートしていく。
 

取材・文/悠木 律



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