「夫の父親でした。うちは、義実家の目と鼻の先にあるんです。昔夫の祖父母が住んでいた家をリノベーションしたのが我が家でして……。文字通りスープが冷めない距離にあるんですね。息子はしょっちゅう義実家に遊びに行っていて。姑が、息子が庭で遊べるように鉄棒やらプールやらボールやらを買い揃えてくれたので、毎日のように行っています」
舅はこの春会社を退職し、暇を持て余すようになったそうだ。そんな舅にとって、初孫である真奈美の息子は恰好の遊び相手となった。
「仕事をリタイアした舅は毎日家にいます。それで遊びに来る息子を連れてあちこち出歩いて食べ物を買い与えたり、家にいる時でもジュースや果物、お菓子などをほぼ際限なく食べさせるようになっていたり、ということがわかりました」
息子に聞き取っていくと、恐ろしいほどの間食をしていることが判明した。
「私が食事をあっさり系に変更したり、子どもが大好きなじゃがいも料理を控えたりしても、どおりで息子は文句を言わないはずです。ジイジの家でさんざん美味しいものを食べてくるんですから」
ある日、舅から何を食べさせてもらったのか、真奈美は帰宅した息子に訊ねてみた。
「内容を聞いて卒倒しそうになりました。喫茶店でアイスクリームを一人前食べて義実家へ帰宅後、炭酸ジュースを飲みながらスナック菓子を一袋食べたというんです。ジュースはコップに何杯もおかわりしたと言っていました。しかも帰り際にスイカを一切れごちそうになったと……。その日の午後だけでですよ。うちの子もまた、よくそれで晩御飯が入ったなとは思うんですが」
©Getty Imagesこれはまずいと思った真奈美は、あまり会話を交わしたことのない舅本人ではなく、姑に相談することにした。
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