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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「私の娘が、なぜ焼き鳥屋なんかと…」偏見丸出しの姑が婿に踏ませた、「時代劇のような踏み絵」

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しかし、南は父の葬儀の日の母の暴言を許すことができずにいた。実母なので体の心配はするが、夫に負担をかけ、自分自身もストレスを抱え込んでまで母親と同居するつもりなどさらさらなかったという。

「しばらくの間、母親の様子を見に行っては、ちゃんと食べないとダメだと小言を言ったり、ちょっとした身の回りの世話をしたりするような生活が続きました。

でも、夫の方は母などいないかのように過ごしていましたね。母について話題にすること自体、一切なくなりました。葬儀の日に母から受けた侮辱がよほど許せなかったんだと思います。当然ですよね」

表面的には夫と母との冷戦状態が続いていたが、失意の底にいた母親の頭には、既に婿の存在などどこにもなかったのかもしれない。

そんなある日、母親の妹である南の叔母から職場に電話がかかってきた。叔母が手土産を持って訪ねてみると、母がリビングで動けなくなっていたため救急車を呼んだというのだ。

「私、仕事中だったのですが、ひどく動揺してしまいました。それでも何とか一区切りつけて夫に電話をかけたんです。夫には報告しない方がいいのかなとも思いましたが、万が一のこともあるかもしれないと考えると、怖くなりました。母は父の所へ行きたいのか、なんて思ったりして不安で。できれば彼に一緒に行ってほしくて」

夫は躊躇することなく、店を従業員に任せて南についてきてくれた。南がすまなさそうにすると「大丈夫だよ、お義母さん寝てるんだろ?」と冗談めかして言ったという。

「夫は母なんか死んだ方がいいと思ってるんだろうなと考えると複雑な気持ちになりました。あんな差別を言う人でも、私はやはり母にこんな形で急死などしてほしくないと思ってたんですね。

叔母たちの助言どおり、気が進まなくても同居してそばで見ているべきだったのではと、自分を責める気持ちもありました」

もし母親が今日死んだら、夫は内心胸を撫でおろすのだろうか…。南はそんなことを考えながら病院に向かった。しかしフタを開けてみると、そこからは南が想像すらしていない展開が待っているのだった。

☆次回では、散々いびられたマスオさんである夫が、偏見だらけの「鬼姑」の心を溶かした驚きのエピソードを紹介する。同様の家庭問題に悩む方も、そうでない方もぜひ読み進めてほしい☆

ライター 中小林亜紀



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