男女の恋愛に詳しい、「不倫女子のリアル」などの著作がある作家の沢木文氏が語る。
「最近では、こじらせている独身女性が増えている印象です。しかも、美人ほど心に闇を持っているケースも少なくありません」__
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新藤夏美(仮名・34)は、華やかな美人だ。今は会社員をしているが、20代のころは、女優として事務所に所属し、芸能活動をしていたという。
舞台の端役や、ドラマのエキストラ程度で終わってしまったものの、周りからは「浮くほど」の美貌の持ち主であることは疑いようのない事実だ。肉感的な体も、眩しく感じられるほど。
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「でも私、彼氏いない歴イコール年齢なんですよ」
そう言って、夏美は自虐的に笑う。しかし、それを額面通りに受け止める人は少ないだろう。
「いつも二番手で終わっちゃって。絶対に本命にはなれないんです。いまも妻子持ちの方と、体だけの関係に悩んでいます。これがその人なんですけど...」
夏美がスマホで見せてきた男の画像は、さえないどこにでもいるような男、という印象だった。
夏美は、小さいころから活発な性格をしていた。恋愛にも積極的で、好きになったらすぐにアタックしていたという。
しかし、その恋が実ることは、一度もなかったというのだ。
「大人になってからもそうなんですけど、毎回グイグイいっちゃうんです。駆け引きとか、まったくできなくて」
夏美が“駆け引き下手”であることを象徴するエピソードを聞かせてもらった。
数年前、夏美は好きな男性と飲みに行くことができた。しかし、居酒屋で告白したところ、彼女がいるからと、振られてしまったのだ。
それでも諦めきれなかった夏美は、帰りの駅のホームで叫んだという。
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「彼女がいてもいいんです!! あなたのことが大好きだから、あなたの女にしてください!!」と。
まるでドラマのワンシーンのようで、ドラマであればうまくいったかもしれないが、現実は夏美に冷たかった。
好きな男性は、何も言わずに走って帰ってしまったという。その後、連絡先もブロックされた。確かに、こんなアタックをしているようでは、いつまでも本命にはなれないだろう。
「あっ、でも一度、恋人になりかけた人はいました」