「だって、私ははっきりしない態度なんてとっていません。たしかに教員になりたての頃は何といえばよいのかわからないという時期もありました。でも、半年を過ぎた頃からははっきりとNOをつきつけてきていたはず。
この子たちは何を言っているのかわからない……。そんな顔をしてしまったのでしょうね。『あんたなんか、なんで学校の先生になったのよ! 私たちの気持ちがわからないような先生なんて、先生に向いてないと思う』そんな言葉は、私の心に突き刺さりました。
『あんたがこの学校に来なければ、私たちはこんなに嫌な思いをしなくて済んだのに!』吐き捨てるように言って私の前から立ち去っていく彼女たちのスカートのすそを見ながら、私は学校の先生を辞めよう…そう思っていました」
陽菜さんが辞めようと決意したのは12月。3月までは何とか我慢をして耐え続けた。その間も誰も、彼女の苦しみや悩みを理解してはくれなかった。彼女を勝手な想像も交えて非難する人はいても、彼女に寄り添ってくれる人はいない。
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