Aちゃん自身と彼女が行っている売春というものを同じカテゴリーで見ていて、売春というものがどんなものでそれを行うことが世の中ではどうみられているものなのかといったことは考えない。
視野が狭いというよりも、それこそが「国語力のなさ」だと私は考えます。「これってヤバいやつかもとは思った」と、Aちゃんと同じように売春をした高校生は後に言っていたそうです。
「でもネットで調べてもどうヤバいかはわかんないし。Aちゃんは大丈夫って言ってたし」という言葉で私は、彼女が売春という言葉も知らず、ネットで自分の行っている行為がどういう物かを調べるときに、調べるための語彙がなかったのだなあと思いました。
彼女は他校の生徒で、私はそのケースを知人から聞いただけですが、きっとレアなケースではないだろうなと考えてぞっとしました。早く対策を考えなければと焦りますが、「これを適用すれば国語力の低下が止まる」みたいな明確なものを出さなければ教育現場が動かないという問題もあります。
恵さんはそう言って肩を落とした。
取材/文 八幡那由多
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