愛されて大切にされていた子どもほど、そのときのことを心に思い浮かべるのかもしれないなあと思います。そしてそんな子たちは、絵本をとっかかりにして少し本を読むようになったり、教科書の文章に興味を示すようになったりする場合もあります。まあ、まれにですけど……。
頬の片隅にかすかな苦い笑いをうかべてから恵さんは言葉を続ける。
国語力が低下しているというか、説明能力がないために、自分で自分を不登校や不調に追い込んでしまう子もいます。彼らの多くは「しんどい」「だるい」以外に自分自身の不調を説明する能力をもたないのです。どこが痛いとか、どんな風に体調がよくないのか言葉で言えない。
寝不足が原因の不調も風邪などによる不調も筋肉痛が原因の不調も、ぜーんぶ「だるい」になってしまうので、親御さんにしてもそれが学校を休むほどのものなのかどうかがわからない。
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