結衣はその言葉を聞いて「ハハハッ」と大笑いし、「なんでわざわざ、私の人生なのに我慢してお前と一緒にいなきゃいけないんだよ。お前に黙ってたけど、私副業してるんだよね。自分一人でしばらく暮らしていける分のお金はあるし、お前からも慰謝料もらうから。証拠のデータ、目一杯録音してるし」
さすがに「離婚」の言葉を聞いて、誠も焦ったのだろう。突然結衣に「ごめんなさい。俺が悪かったから離婚しないでください」とすがるようになった。
モラハラ男はいざ自分が捨てられる側になったら、泣き付いて離婚を回避しようとするケースも少なくない。しかし、大抵やり直してもモラハラ夫は同じことを繰り返すだけだ。
結衣の場合は、もう時すでに遅し。泣き付いてすがられても結衣の決心が変わることはなかった。その日のうちに結衣は荷物をまとめて出て行き、離婚の準備を進めた。
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