「何してるって、お前を殴るためだよ」満面の笑みでフライパンを素振りする妻。爽快な「モラハラへの反逆」

そして結衣は誠に満面の笑みを向けて、「何って。お前を殴るためだよ。行動見ればわかるだろう。ホント頭悪いなぁ」と答えた。

あまりに予想外の返答に、誠も驚いてしまったのだろう。なぜなら、結衣はほんわかしていて、自分の言うことには逆らわない性格だと誠が思い込んでいたからだ。

結衣は続ける。「お前さぁ、散々人のことを見下すけどさ。お前だって実はそんな仕事できないだろ（笑）。本当に仕事ができる人は、ミスをしても家に持ち込まないし、家族を大切にするんだよ。今までお前の感情を受け止めるのも妻の役目かと思って我慢してきたけど、親の悪口まで言われちゃ、こっちだってもう我慢できない。今考えたけど、お前は私の人生にいらないわ。離婚しよ」

誠はぼう然としていたものの、はっと我に返り、「何言ってんだよ。お前みたいな奴をもらってくれる男なんて俺しかいねえよ。お前ひとりでこれから生きていけるわけないだろ」と言い返す。