【後編】「老後2000万は余裕」→あっという間に借金300万。現役時代は小金持ちだった老夫婦の「あり得ない誤算」

続けて、ため息を交えながら陽子さんはこう話す。

「今はまだ自宅で元気に過ごしているからいいですよ。要介護になった場合を考えると......怖いです。弟夫婦が協力してくれるはずがないし。実家の土地と建物は資産になりますが、義母の性格を考えると『兄弟平等にわける』なんて言いそうです。義両親には残りの人生、とにかく質素に見栄を張らず、年金でどうにかやりくりしてほしいですね」

厚生労働省が公表している「2021年国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の21.3％が「大変苦しい」と回答した。

限られた金額の範囲内で生活できる能力を身に付けておくことは重要だが、若いうちの資産形成や間違ったお金の習慣を正さないと、老後貧困に陥ってしまうだろう。

義両親を反面教師にして、50歳以降は老後を見据えたマネープランを設計していくと決意した陽子さん夫婦だった。