【あらすじ】
2人目の出産のタイミングで、半年間の育休を取得した優美(35)の夫。しかし、元々から家事育児が苦手な夫の育休は、優美にとっては迷惑でしかないのだ。すでにロングバケーション化している夫の育休。さらに交流会で知り合ったママ友には「夫が育児をするように躾けるのも妻の役目」と言われ、納得のいかない優美だが……。
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交流会で優美に意見してきたママは、「何をしてほしいのか具体的に言わないと、夫さんだって何をしていいかわからないですよ」と優美の姿勢に疑問を投げかけたのだという。夫の自発性を待っていてはダメらしい。
「その人は、家事や育児を手取り足取り教えたうえ、時々2人で決めたルールや育休の目的を読み上げて夫への意識づけを行った、というんです。夫さんの躾けを徹底したとかで、まあ凄いとは思うけど、私はそんなやり方はいやだなあと思ってしまう」
夫を躾けるという言い方は、優美にはピンとこない。
「私だって家事や育児なんて、最初は全くできませんでしたよ。仕事をしながらだけど、一つずつ自分なりにコツコツ覚えてきました。それなのに、なぜ私がこのタイミングで、夫に手取り足取り教えてあげたり、やってほしいことを具体的に指示したりしなければならないんでしょう。育休を使って夫の躾けを頑張れって、ちょっと何言ってるかわかんない」
出産前のパパママ教室では、夫も沐浴などのレクチャーを受けた。やる気があれば、できるはずだと優美は言う。
「結局、当事者意識がないんです。育休入って、今何をしているかといえば、食器洗いとか、赤ちゃんをお風呂に入れた後の拭き取りやグルーミングの手伝いとか、あとは上の子の相手……やってもそれくらいです。それって、育休取らなくてもできるよね、ということばかり。妻が寝る時間を作らねばとか、1人になる時間を与えなければなんて、毛の先ほども思ってないんですよ」
「夫を躾けるという表現は違和感。自分も最初から家事育児ができていたわけではない。結局当事者意識の問題だ」