孝三の兄、和仁の長女「道子」の夫である、「杉元勇」は、口ばかり達者で、詐欺師のような人物だったという。
妙子と同居後も、杉元は、幾度も家に押しかけて、胡散臭いビジネス話を持ち掛けては、孝三に融資を求めて困らせていたそうだ。
妙子の家のリビングのテーブル中央には、大きな背の高い花が花瓶に生けられている。それは、杉元と向かい合って話をする時に「顔をまじまじと見なくて済むように」と、妙子が孝三の為に置くようになったものだという。
「習慣になっちゃって、今でも無いと落ち着かないの」
と妙子は言った。
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