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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「いま先生、ナースの家でしてますよ」不倫の密告で人格激変。純情な新妻を変えた「おぞましい出来事」

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

内閣府が令和3年に実施した世論調査によると、未成年の子どもがいない夫婦のうち、「夫婦の一方でも離婚を望んでいるのであれば、離婚した方がよい」と答えたのは全体の42.4%だったという。

もはや離婚は人生の重大事ではなく、次なるステップの通過点となっている印象だ。

しかし、各々の離婚の背景には、もちろん本人たちにしかわからないドラマがある。今回話を聞いた白井雅美(仮名)は結婚2周年を目前に離婚し、失意のなか実家に出戻った33歳の会社員。

聞けば離婚した夫との交際期間は13年にも及んだという。長い春が悲しい結末に終わった経緯、現在の彼女の意外な生活とは?

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華奢なシルバーフレームの眼鏡をかけた白井雅美は、いかにも羽目を外すことなどなさそうな良家の子女、といった雰囲気の女性。仕立ての良いテーラードジャケットを身に着け、おっとりとしたムードの中にもどことなく知性を漂わせている。

©Getty Images

「離婚した時は、本当に死にたかったです。待望の結婚というので、親も披露宴に500万かけてくれましたから」

雅美は地元でも進学校として名高い県立高校に在学中、結婚相手と出会った。今から17年も前のことだ。

「2年の時に同じクラスになりました。彼は両親ともに医者で、本人も地元の国立大医学部を目指していて、進学校の中でもトップクラスの秀才でしたね。

私の方の成績はというと、いつも底辺をふらふら。一心不乱に勉強しなくても入れる大学に行くつもりでした。周りにはそんな人はいませんでしたよ」

後に雅美の夫となったのは門倉孝介(仮名)。現在は某所で勤務医として働いており、雅美とはもう連絡も取り合っていない。

「孝ちゃんは勉強と部活しかしてこなかった人で、凄く照れ屋で誠実な人……でした。昔は本当にそうでした。父親は医師といっても学者で、いまはある国立大で教授をしています。母親は開業医です。地元で人気の皮膚科をしています」

孝介は、進学校の中で「癒し系」として異彩を放っていたという雅美に好意を持った。

「進路については、私はこだわりはなくて、全くどうでも良かったんです。志望大学も名門ぽい女子大と呼ばれるところならどこでも良かった。

夫の出世を支える妻になるのが目標でしたので。親が小さい頃からそう教えた賜物です。孝ちゃんに付き合ってと言われて、そのまま付き合いましたが、最初から結婚を意識してましたね」

そんな古風な雅美の貞操観念の堅さに、孝介は少し不満だったという。ひとりっ子の雅美は、祖母と母親から、結婚するまでは「純潔を守るべき」と教え込まれており、性=悪という強固なイメージを持っていたのだそう。

「いつの時代の話って感じですよね。でも、私はそれを頑なに守ろうとしました。孝ちゃんが望んでも、キスさえしませんでした。婚約したらできるみたいだからって言って……孝ちゃんもそれを泣く泣く承諾してたという感じです」

しかし、つき合っていれば良いムードになることは当然ある。キスやそれ以上のことをお互いに求める場面は、何度もあったという。

「実はしました。墓場まで持っていこうと思ってたけど、本当はしてました。でも、高校を卒業してからです。そこまでは待ってもらいました。

ただ、私はいつになっても罪悪感が強くて、楽しむとか感じるとか、そういうのはとても考えられなかったです。高校卒業まで約束を守ってくれた孝ちゃんの誠実さには、惚れ直しましたけど」

成績優秀だったはずの孝介は、実は1年浪人をしたという。孝介の親は、それを雅美との交際のせいだと考えた。

そこから雅美は、汚名をそそごうと、孝介の鼻先ににんじんをぶら下げる作戦に打って出る。ごくたまに性欲を満たしてあげた後「大学に受かったらもっとしようね」と孝介を鼓舞した。

「セックスは嫌いでした。嫌だったし、やり方とかどんな顔していいかとかわからなくて、延々まぐろ。それでも孝ちゃんは満足してたと思います。孝ちゃんも第一志望に落ちてプライドが傷ついてたので、勉強凄く頑張って、一浪後は無事に合格しました」

孝介が医学部に通った6年の間も、2人はつがいのように仲良く過ごした。女子大を卒業後、上場企業に入社した雅美は料理教室に通い、子どもの頃習っていたピアノや華道を再開、英会話にも時間を使った。将来子どもを授かった時の教育のためだったという。

「孝ちゃんが国試に受かって、研修医として働く病院も隣の市で内定してたので、結婚してついていきたいと思いました。

でも、孝ちゃんの大学の同級生から研修医との新婚生活はきついと聞いて、生活が落ち着くまで待とうということになったんです」

そこまで話すと、雅美は物言いたげな表情を浮かべ、こう続けた。

「私は孝ちゃんの親から、まだあまりいい印象を持ってもらえてなくて、ほとぼりが冷めるのを待ちたかったというのが本音です。浪人は私のせいだとしつこく思われていて……。

でも、孝ちゃん本人はマンションの合鍵もくれたし結婚の相談もしていたので、婚約者として安心してマンションに通ってましたね。

ただし、彼は超多忙でした。部屋に戻ってもすぐ病院に呼び出されるような毎日で、ゆっくりと過ごした記憶はありません。だからこそ、いよいよ結婚したいなって思ったんです」

29歳になった年、雅美の強い希望もあり、2人は晴れて結婚した。相変わらず多忙ではあったが、孝介も研修先の病院勤務にだいぶ慣れてきたタイミングだった。

「いま思えば、孝ちゃんは外見も変わっていってましたし、言動にも微妙に変化があったので、気づくべきでした。結婚前にはもう浮気してたんですよ」

13年のつき合いという実績のおかげもあるが、親同士の会食後に孝介の親が手のひらを返したように雅美の家の「家風」に惚れ込んだことから、結婚話はとんとん拍子に進んだ。2人は、一流ホテルの主宴会場で盛大な披露宴を催した。高校、大学時代からの共通の友人が50人以上参列し、2人の長い春の終焉を祝ったという。

「結婚してみると、孝ちゃんのセックスが妙に技巧的になっていると感じました。結婚前にはあまりそこは見せなかったのですが、前戯ひとつ取っても、別人のように幅広いバリエーションを披露してきました。

私は恥ずかしくてついていけず、戸惑いました。そこからです、不信感は。でも、私のほうは相変わらずまっすぐ寝たまま、されるに任せるという感じで、孝ちゃんからするとつまらなかったでしょうね。義務でしてたと思う」

結婚は13年も付き合ってきた私への「功労賞」だったのだろう、と雅美は苦笑いを浮かべた。

「結婚しても、全然幸福感を感じませんでした。孝ちゃんを少し疑っていましたし、仕事の話もしてくれないから共通の話題もあまりなくて、思ってた結婚生活じゃなかった。

どんなに料理を頑張っても、研修医って本当に忙しくて、食事なんかほとんど食べてもらえなかったです。休みもいつ呼び出されるか、ずっとヒヤヒヤしてましたし、当直も多くて……。でもその忙しさは、不倫するには良い隠れ蓑になってたんだと思います」

結婚して1年半が経過した頃、雅美たちが暮らすマンションに1本の電話がかかってきた。

「電話をかけてきたのは、夫と仕事をしている看護師でした。しかも病院からかけているというんです。孝介先生って呼んでましたね。話を聞いて、体中の毛穴が全部開いたかと思うほど、ぞわっとしました。人生最悪の電話です」

看護師は、孝介先生と仲良くさせていただいている、と切り出した。

「でも、孝介先生はほかの看護師とも仲良くしていると、その人は言うんです。最初は何のことだかわかりませんでした」

看護師は一方的に、孝介との関係について言い募った。真夜中に1時間ほどだけマンションに来て関係を持ってすぐに帰ったり、真夜中に駐車場に呼ばれ、車内で性行為を求められたりすることもあったという。

「孝介先生はいま、佐々木さんという看護師に入れ上げてて、結婚したいと言われてるそうなので、奥様にご忠告をと思いました。佐々木さんって、すっごく色っぽいんですよ。彼女のアパート、お教えしますので行ってみたらいかがですか? 今まさに、きっとしてますよ」

雅美は電話を切ったあと、その場に座り込み、3時間以上も動けなかったという。いやな汗をかき、熱が出て、涙がこぼれた。

☆純情な新妻に寄せられた「密告電話」に対して、箱入り娘の雅美は人格を激変させていく。反面教師として読み進めて欲しい☆

ライター 小林淳子

▶︎【後編】医者との結婚と離婚。人生のレールを失った箱入り娘が「激変した理由」


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