ダブルライダース=ロック!? その認識、間違ってます!
新連載「干場編集長のスタイルクリニック」略して【スタクリ】。第37回目は「ダブルライダースジャケット」。シングルライダースは干場編集長のいわば十八番的アイテムですが、今回はダブル。同じライダースでも、シングルとダブルでは印象も着こなし方もまるで違うようです。
大人のオトコに色気とワイルド感を与えてくれるライダースジャケット。シングルはこれまでにご紹介しましたが、今回はダブルとなります。そもそも、その違いは何でしょう。
「シングルやダブルは、フロントの合わせのこと。シングルはジップが中央に一直線についていて、ダブルは中央からズレてついています。シングルは襟付きとスタンドカラーの2タイプありますが、どちらも基本はシンプル。対してダブルは襟が幅広く、またシガレットポケットなど付属パーツが多いのが特徴です」
同じライダースでも、一見してデザインが異なるシングルとダブル。印象もまるで異なります。
「シングルはスポーティな中にもスタイリッシュな印象に。ダブルはワイルドでロックな印象が強くなります。ロックミュージシャン御用達ですからね」
となると、大人のオトコには不向きかと思われますが、どうやらそうでもないみたいです。
「レザーライダース初心者なら、シングルがオススメ。シンプルな分、着こなしやすいですからね。一方で、ダブルライダースはとにかくワイルドさやハードさを求めた着こなしじゃないといけないというイメージがあります。でも、実はそうじゃないんです。ダブルだって、もっと気軽&イージーに着ていいんです」
そこで今回合わせたのは、まさかのジョグパンツにスニーカー。ワイルドとは無縁なコーデですが、いざ着ると実にマッチします。
「ダブルライダースによって、リラックスなジョグパンツが引き締まります。ダメージデニム&ブーツだけじゃなく、意外と幅広く合うんです」
何となく物足りなさを感じがちな春コーデ。いつものアウターをダブルライダースに変えることで、見せ場のある春コーデになるかもしれませんよ。
EMMETI / エンメティ
ジョグパンツにだって、合わせていいんです!

Tシャツ9350円/クロスクローゼット、ジョガーパンツ7万1500円/フィクサー(アルト エ デリット)、靴参考商品/ヴァルスポルト(チンクエステッレ)、サングラス2万680円/レイバン(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス)、時計「BR-03ダイバー」55万円/ベル&ロス(ベル&ロス 銀座ブティック)
大人のラグジュアリーレザーアウターを探すなら、やっぱりここ。それは、ダブルライダースにおいても然りです。ダブルらしいワイルド感を意識しつつも、ディテールはミニマルに、そしてしなやかなナッパレザーが、あくまでもラグジュアリーに見せてくれます。
そんなダブルライダースなら、Tシャツにスウェットのジョグパンツ、そしてランニングシューズというスポーティなコーデともマッチ。軽さと重さのバランスが取れ、ジョグパンツもご近所パンツに見えません。
◇ +CLOTHET SUVIN PLATINUM ポケットTシャツ ホワイト
*ミニマルワードローブとパートナーシップを結んでいます。
レザーの種類によって印象は変わってきます

ウエストの湾曲したステッチがライダースらしさをアピールする背中。これは、前傾姿勢になった場合を想定したパターンによるものです。
「ダブルライダースと一口に言っても、革質によって印象は一変。こんな風にやわらかなラムナッパなら、スウェットともマッチします」
干場編集長のアドバイス①「サングラス」
武骨要素は、ちょい控えめがバランス良し

ジョグパンツとのスポーツミックスとは言え、やはりダブルライダースの魅了はワイルド感。サングラスとの相性は言うまでもありません。
「50年代の印象が強いダブルライダースだけに、こんなウェリントンタイプはおあつらえ向き。とは言え、レンズ濃度が濃いとコワモテになるので、薄レンズがオススメです」
干場編集長のアドバイス②「時計」
デカケースだけど軽さも備えているのが正解

ダブルライダースに限らず、スポーティなコーデにこそ高級感のある腕時計をつけるべし。そこで今回選んだのはベル&ロスのBR-03ダイバー。
「42mmという大型のケースは、ダブルライダースの存在感にも負けません。ただし、これ以上重厚感を出すとジョグパンツとミスマッチに。だから、ベルトはラバーで正解」
干場編集長のアドバイス③「スニーカー」
ブーツ以外ならクラシック系スニーカーが狙い目

ダブルライダース=レザーブーツ。それはそれでいいんですが、こんなスニーカーとのコーデも実はありなんです。
「とは言え、カラフルなスニーカーだとやはりギャップが強すぎます。こんなクラシックなタイプなら、いかにもスポーティなランニング系でも馴染んでくれますよ」
Brunello Cucinelli / ブルネロ クチネリ
リラックス系ダブルという選択肢もあるんです

極上にやわらかなレザーとシンプルに削ぎ落とされたディテールが、ラグジュアリー感をたっぷりと味合わせてくれるこちら。さらに注目は、軽やかさと体を締めつけすぎないフォルム。これにより、ストイックなワイルド感ではなく、リラックスした大人の余裕を感じさせられるのです。
TOM FORD / トム フォード
ダブルの本懐を堪能するならこんなヤツを

オトコらしさをとにかくアピールしたい。それなら、やっぱりここが一番でしょう。上襟のないダブルライダースで、パディングされたショルダーやウエストのアジャスターボタンなど、ダブルライダース本来の武骨なディテールが満載。革はラムですが肉厚で重厚感があります。
FIXER / フィクサー
ワイルド&ラグジュアリーをこの一着で満喫

ウエストベルトにシガレットポケット、アイコニックなジップポケットなど、これぞダブルライダースの真髄といったところ。着脱可能なムートンボア襟が、ラグジュアリーな色気を加えます。それでいて1.2mm厚のカウレザーは実にやわらかく、カラダにすぐ馴染んでくれます。
MOLEC / モレック
テーラード感覚で着られるダブルといったところ

やわらかなだけでなく、美しい光沢が見どころとなるプロンジェレザー。様々なラグジュアリーブランドで採用されているとあって、高級感は折り紙付きです。無駄なディテールをそぎ落とし、さらにジップもガンメタルカラーにするなど実にシックです。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Ryoko Kanemoto
Hair&Make-up:Megumi Ochi
Model : Noah Ishikura
Text:Masafumi Yasuoka
Direction:Yoshimasa Hoshiba
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ブルネロ クチネリ ジャパン 03-5276-8300
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アルト エ デリット 052-253-7718
クロスクローゼット 03-5770-5274
スピラーレ 03-5468-8548
チンクエステッレ 03-6897-3526
ベル&ロス 銀座ブティック 03-6264-3989
ルックルオティカジャパン カスタマーサービス 0120-990-307