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「あの子に好かれたい!」AIが導き出した驚愕の回答とは?

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

AIに説教された話

ここ最近、SNS界隈は「チャットGPT」の話題で盛り上がっております。質問すると自然な文章で回答してくれるAI(人工知能)サービス、チャットGPT。質問以外にも「結婚式の祝辞を考えてくれ」とか「親戚からの借金の申し入れ、どう断ったらよい?」みたいなヤヤコシイ相談にも、ちゃんと答えてくれますよ。
 

私もさっそく「小西真奈美と会う方法は?」と聞いてみたんですが、「事務所に問合せたら?」という塩対応。めげずに「小西真奈美に惚れられる方法は?」と聞いてみたところ、

「相手に迷惑ですよ。他人の意見や感情を尊重することは重要です。人々が不快に感じるようなアドバイスは提供できません」
 

ほ……ほーん、AIに説教されちゃった。なるほどね。何だろう、ちょっとムカつく。
 

ちなみにチャットGPTが教えてくれる「答え」は、必ずしもすべてが正しいわけではなく、特に調べものについてはまだ間違いが多いようです。このへんはすぐに改善されると思いますが、今のところ、感覚的には「よい文章が書ける、うっかり者の学生アシスタントを雇った」ぐらいが近いのでは。私は学生さんに説教されたんですかね。
 

AIは、人間が真似できない速さで作業、学習を繰り返すことが得意なので、文献・論文を網羅的に調べて、答えを導き出すような場面で特に本領を発揮します。例えば白血病の治療。様々な治療法の中から適切なものを選び、迅速に治療を開始することが重要になるんですが、適切な治療法を選定するのって実は難しく、症状に合わない治療法を選んでしまうことも珍しくないそうです。
 

数年前、いろんな治療法を試したけど、一向に症状が改善しない白血病患者さんがいて、かなり危険な状態にまで陥っていました。そこでその患者さんの情報をAIに読み込ませ、世界中の医療論文と比較させた結果、「あ、今の治療法じゃダメっすね。こっちの治療法で良いんじゃない?」と正しい治療法を見つけ出したそうな、AIが。しかもたった10分で。その患者さん、その後すっかり回復したそうです。

AIが文化を、人間が労働を……?

人の命まで救ってしまうAI。間違いなく素晴らしいんですが、どうも最近のAI界隈を見ていると、どうやら私たちが予想していたのと「ちょっと違う未来」がやって来そうです。少し前までは「単純作業や面倒な仕事はAIに任せて、人間は創作や芸術、文化に没頭しよう。ああ素晴らしいAI社会」なんて言われていたのに、いまAIが大暴れしている分野って、「絵画」「イラスト」「写真」「小説」「エッセイ」「動画」「音楽」……思いっきり創作・芸術の領域なんですよね。

芸能界だって、実写と見分けがつかない容姿端麗なCGタレントを作り、そこにAIをぶち込めば、スキャンダルも移籍騒動も起こさない、24時間働きっぱなしのスーパータレントの誕生ですよ(AIが実装された「VTuber」はすでに稼働しています)。
 

この流れで行くと「芸術、芸能、文化はAIに任せて、私たち人間は『ちょっと難しい単純作業』をやろう、そうしよう……あれ?」という社会がやってくるかもしれません。実際、人間と同じくらい柔軟で、微妙なカスタマイズにも対応できるAIを作ろうとすると、コストが物凄くかかるんですよ。で、結局「人間がやろう」になる。人間ほど高性能で安価な労働力は、そう簡単に作り出せないそうで、いやあ、誇らしいやら悲しいやら。芸術活動に勤しむAI、それが人間に仕えるという未来、ちょっと気になっています。
 

ちなみに今回、チャットGPTに「FORZAに連載している小木曽風の記事を書いて」とお願いしてみたんですが、いきなり高級車について語り出したので使えませんでした。何だよ高級車って、乗ったことねえぞ。

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)
※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。



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