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河野太郎さんちょっと待って!マイナンバーで寿司テロは防げません!

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

回転寿司ぺロリスト、悪いのはだ~れ

先日、河野太郎氏(デジタル大臣)がテレビに出演し、「回転寿司」の動画問題について言及、話題となりました。趣旨としては「ネットリテラシーを含めた教育の問題だ」という至極当然なお話だったんですが、注目されたのは「SNSにマイナンバーカードを紐付ければ年齢制限が可能」という発言。つまりアホな投稿は年齢制限で抑制できる、ということですかね。いやぁ大臣、そこだけは突っ込ませて下さい。

この数週間、回転レーンでチューチューペロペロ、華麗に炎上した人々って、SNSが無ければペロペロもせず、真っ当に過ごしていたのでしょうか?もしそうならぜんぶSNSが悪いね。そしてSNS使いまくりの現代人は、みんな揃ってチューチューペロペロ、とっくに業界を滅ぼしていたはず。でも実際はそんなこと起きていないし、そもそも原因はSNSじゃない。彼らの人格、モラルの問題です。投稿を抑制したところで、SNS以外で別の問題を起こしていたでしょう。だってチューチューペロペロしちゃう程の行動力ですから。SNSに投稿させない、臭いものにフタでは解決しない話です。まあ大臣もそれを十分わかったうえで、カードの普及に絡めて言われたんだと思いますけど。

ネットは世界を「見える化」する道具。政治の暗部から路地裏の犯罪まで、何でもモレモレ、暴露する特性があります。もちろん私たち自身も例外ではありません。みなさんの周りに「普段は穏やかで良い人なんだけど、SNSだとちょっと違うな」みたいな人いませんか?「このタイミングでそれ言っちゃうんだ」とか「意外と怒りっぽいね」とか「自慢好きなんだな」みたいな人……多分それ、SNSの人格が「本当の姿」ですよ。SNSはその人のキャラクターがもろバレする道具。怖いんです……(私、知り合った相手の人柄を知りたい時は、真っ先にその人のSNSを見にいきます)

今回の「回転寿司」問題も構造は全く一緒。SNSによって、その人物が持つペロペロ要素が分かりやすく露呈しただけ。そこに手を突っ込んで説教できるのは、家族か親族、親しい友人だけでしょう。社会がやれることは、重大なルール破りに厳正に対処し、然るべきペナルティを与え、その行為が一般化しないよう世の中全体の共通認識にすること。やったらどうなるかを「誰もが知っている状態」を作ることです。

ネットで絶対に失敗しない方法とは?

ぺロリストには10代の若者も含まれていたので、「また一発アウトの不寛容社会かよ」と批判する著名人もいたようですが、今回の事件は、業界を回転レーンごとひっくり返しかねない、他の飲食業界にも波及しかねない相当な破壊力がありました。なにしろチェーン本部の株価は吹き飛び、「SUSHI TERRORISM(寿司テロリズム)」として世界にニュース配信され、一定の層に「もう回転寿司には行かない」という決意すら抱かせたワケですから。そういった意味でも「コンビニのアイスケース事件」とは次元の異なるネット炎上だったと言えます。業界で働く人たちにも大勢の家族がいて、そこには将来のあるお子さんも含まれます。被害企業の多くが、加害者に対し法的措置などの厳しい態度で臨んだのは、そうしなければ業界全体が死ぬ、という社会に向けたメッセージでもあるのでしょう。

ところで「あんなアホ行為、自分は絶対にやらん。でも、ウチの子はどうだろう……」と急に我が子が心配になっちゃった親御さんから、たくさんのご相談を頂いています。でも大丈夫。ネット・SNSで絶対に失敗しない、完璧な方法がありますから。

「インターネットは自宅玄関の外。玄関に貼れるものだけがネットやSNSに載せられる。それ以外はダメ」

これをお子さんに100回、噛んで含めるように伝えてあげて下さい。これだけしっかり守れば十分。逆にこれを守れないのならスマホは無理、解約、解約です!ただしこのルール、いつもは50分の講演で、あらゆるテクニックを駆使して理詰めでしっかりお伝えしているもの(そうすると児童や生徒も必ず納得してくれる)、つまり伝え方がかなり重要ので、そのうち本連載でもページを割いて詳しくお伝えできればと企んでいます。

あ、ちなみにこの玄関ドアのルール、大人も一緒ですからねー。

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)
※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。



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