前編はこちら。大学共通第1次学力試験、通称「共通テスト」には、トラブルがつきものだ。昨年のような、受験生が襲われる事件やスマホを利用したカンニング事件こそ起きていないが、それを防ぐ意図もあってか、試験時間が短くなるミスが相次いだ。全国6つの会場で、試験時間が5秒から1分短くなるミスがあり、393人の受験生が、再試験の対象になった。
生徒たちが通う現場では高校教員がこまかなトラブルの対応に追われている。そして、その対応は教員に予想以上の負担をかけているのだ。
今回は、そんな、共通テスト下の教員が抱える闇について、FORZA STYLE「ライフ取材班」がレポートする。高校教員歴20年の真澄さん(仮名・43歳)は、少し疲れたような様子で言った。
今回は、そんな、共通テスト下の教員が抱える闇について、FORZA STYLE「ライフ取材班」がレポートする。
「毎年、試験時間に間に合わないと、泣きながら学校の電話や教員の携帯に連絡を入れてくる生徒は何人かいます。開始20分以内であれば入室させてもらえるので、どれくらい遅れそうなのかとか本人に聞きますが、パニックに陥っていて、上手く答えられなかったりします」
1日目の共通テスト終了後も、教師の真澄さんの苦労は続く。
「もう無理だ。明日は受験したくない」と投げやりに言う生徒や、「先生は大丈夫だとおっしゃったのに、会場が寒かったせいで集中して問題を解けなかったと娘が泣いています。どう責任を取るおつもりですか?」とまくしたてるヒステリックな保護者。
それらすべてに、丁寧に対応し、「気持ちを切り替えて、明日も頑張ろう」「明日は上着を持っていくように」「とにかく今日は早く眠っていただいて」などという言葉を電話口で繰り返す。電話が鳴らなくなるまで、真澄さんは気を張り詰めていなければならない。
2日目は試験が終わるまでは比較的平穏だが、今度は終了後の生徒たちの態度が問題になる。次回では、打ち上げと称して飲みに出かけるバカ生徒たちに振り回される教員たちの悩みを詳報する。