「恋愛経験の少ない真面目な男性ほど、恋にハマった時に思いがけない行動に走ることが多いんです。特に最近の若い世代は勉強に多く時間を割いてきた分、大学生になると急に慣れない女性関係に積極的になってしまうこともあります」
危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう語る。今回は、勉強漬けの人生を歩んできた大学生が慣れない恋愛から恐怖のストーカーになってしまった一例を、FORZA STYLE「ライフ取材班」がお届けする。
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今回話を聞かせてくれたのは、飲食店でアルバイトをしている高島早紀(19・仮名)さんだ。

白浜康生(19・仮名)と出会ったのは、バイト先での事だったという。康生は県内で一番成績のいい高校に通い、この春から大学に進んでいた。彼が志望していたのは東大法学部だが、惜しくも届かず、それでも私大の雄と名高い誰もが知る大学の法学部に見事合格した。親は小学校の校長先生で、幼い頃から厳格に育てられてきた優等生だ。受験勉強にすべてをかけていた康生の頭には、まだ10代ながらかなりの白髪が目立っていた。
「康生君の白髪は遺伝もあると思いますが、受験のストレスが大きかったみたいです。相当プレッシャーをかけられたみたいで、夜もほぼ寝ていなかったとか……」
真面目な康生はアルバイトでよく働き、オーナーや本部から来る社員からも注目されていた。仕事面はもちろんだが、上の人に積極的に近づいて自分のことをアピールしていたのだ。その反面、同世代のアルバイトには指示を出す姿が目立った。そのため上司からは可愛がられていたが、同じバイトの大学生からは評判が良くなかったようだ。
同じシフトの大学生たちはこう話す。
「自分はお前らより出来るんだよっていう感じがすごく伝わってきますね。忙しい時も本部の社員が店に来ると長々と話しに行くんです。こっちはバタバタしてるのに、偉そうにしゃべって本当にイライラMAXですよ。指示を出してくるのも不快です」
「一見愛想よく見えるけど、地元の友達に聞くと結構嫌われてて友達がいないタイプだったみたいです。頭はいいけど性格に難があると言うか……」
そして康生は、当時まだ人生で一度も彼女が出来たことがなかったという。女の子には積極的に近づくも、あまり相手にされなかったらしい。
そんな時、新人アルバイトで入ってきたのが早紀さんだった。
「仕事をテキパキとこなしてて上司とも仲が良かった康生君は、とても頼りがいがあってカッコよく見えました。私もつい『康生君カッコいいよね』って周囲に言ってしまって。それが彼の耳に入ったみたいで、告白されて付き合うことになりました」
しかし女性と付き合うのが初めてだった康生は、デートをしてもぎこちないことが多かったと早紀さんは語る。
「お互いたどたどしくて気まずい空気が多かったですね。彼もそれに耐えられなかったのか、1週間で『君を幸せにする自信がないから別れよう』って言われました。私もちょっと残念だったけど受け入れることにしました……」
早紀さんと康生は別れることになったが、悲劇が起こったのはそれからだという。ある日早紀さんはバイトが終わってから、車で自分の家まで帰っていた。するとふと、後ろからずっとついてくる車がいる事に気づいた。
「信号待ちでバックミラーを覗いたら、康生君の顔が見えました。えっ……⁉って思って、ちょっと怖くなって。家まで着いてきそうだったので、いなくなるまで回り道をしました」
それからまたある日のこと。夜10時にバイトが終わった早紀さんは、店の裏に止めてある車に乗ろうとした。するとその前に康生が立っていたのだ。帰ろうとしたその時、康生は強引に助手席に乗り込んだ。「何? もう帰るんだけど」「あのさあ、俺のこと好きだったんだろ? だったらさ、セフレになってよ」
☆次回では元カレが一変、セフレ関係を早紀さんに迫り、恐怖のストーカーになるまでの一部始終を詳しくレポートする☆
Text:FORZA STYLE