【後編】ロリコン、性犯罪者と夫が罵倒され...元・悲劇のヒロインの独白。教師と生徒、禁断の恋の「その後」とは……

日菜子さんは夫に対して少し不信感も感じている。

「私にしたように、夫がまた高校生に手を出すのではないかって不安もあります。うちの夫は、生徒にとても親切です。もちろん男女問わずですけど、よく話を聞いて、親身に相談に乗ります。40歳を超えていますが、私と結婚した頃と変わらず清潔感もあって『カッコいい』と言われやすいんです。バレンタインには、山ほどのチョコレートを女子高生たちからもらって帰ってきます。問題を抱えている生徒や、酷く悩んでいると訴える生徒とは連絡先の交換もしていて、私は、危ないんじゃないかって……」

口ごもる日菜子さんは、しばらく逡巡したのち言葉を続けた。

「私が学生の時は、悩みなんて特にないのに、悩んでいるふりをして夫の連絡先を入手しました。成績が上がらないとか、隣の席の男子がうるさいとか、そんなどうでもいいことをメールで送っては、返信が来ることや、わざわざ電話をしてきてくれる彼の優しさにうっとりしていたんです。その当時は、自分だけが特別だと思っていましたけど、今の夫を見ていると、どの生徒にもそうしているし、なんなら女子生徒には特に優しくしているんじゃないかって気がします」

日菜子さんは、夫に疑惑の目を向けているが、自分自身の気持ちの変化にも気づいている。