「保育園の洗礼」これは保育園入園とともにこれまでに出会ったことのない菌に感染し、子供たちが体調不良を起こすことを指している。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「4月から6月くらいまでは特に慣れない環境ということもあり、風邪をひくなどの症状が出ることが多いようですね。通過儀礼とは言え、働く親にとってはなかなかハードなもの。特に産休明け、育休明け、で立て続けに休むとなるとまた子持ち様とも言われかねません」。
その結果なのか、やや体調の悪い子どもを無理して保育園に連れていく親もいるらしい。
「鼻水が出ているくらいであれば、保育園に連れていくというご家庭が多いのではないでしょうか。保育士さんの負担も大きいですよね。聞くところによると保育士さんも1年目は子どもたち同様、多くの感染症にかかるそう。大きく、体制の整ったホワイトな職場であれば、お休みもできるでしょうが、昨今、保育の現場は人手不足ともささやかれています。休めずに疲弊している保育士さんもいるようです」。
今回はなかなか仕事を休むことができないと嘆く、若手の保育士にリアルな「保育園の洗礼」について話を聞くことができた。
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黒田リサさん(仮名・22歳)は短大卒業後、保育士になった。今年3年目を迎えるが今は休職中。1年目の頃は、思い出すのも辛かったと話す。
「1年中体調不良でした。鼻水や咳、発熱といった風邪症状にはじまり、嘔吐や下痢なども1度や2度ではありません。私の働いていた園は離職率も高くて、いつも人手不足。簡単に休むなんて言えない状況でしたね」。
リサさんは、体調不良を押して出勤していたそう。
「微熱や咳、鼻水は、体調不良だとはみなさず、働いていましたね。鎮痛剤を飲んで紛らわせるのも日常茶飯事でした。先輩たちもそんな感じでしたね…。年々楽になるよ、なんて言われてましたけど、本当に辛いというのがリアル。でも子どもたちは可愛いし、なんとかその気持ちだけで頑張っていました」。
そんなリサさんもどうしても許せないのが一部の親だったという。