「一番大切なのは思い出なのかもしれない」松浦弥太郎さんが、これからの人生において"思い出となるようなお買い物"へと繰り出す連載企画。妥協でする買い物なんて つまらない。買うこと自体だけでなく、買うまでのがんばり、買うシチュエーションまでもがストーリーとなる"思い出のお買い物"へ、いざ!
これからの人生で心から欲しくなって買うことができるものの数を考えると、つねに頑張って、少しでも良いもの、価値のあるものを手に入れていきたい
エッセイスト、クリエィティブ ディレクターである松浦弥太郎さんが"思い出になるお買い物"として、第2回目に選んだのは「一筆箋」。
ということで、創業明治15年、原稿用紙や便箋、ノートを製造販売する舛屋さんの紙製品ブランド 満寿屋の一筆箋を求めに 浅草へとやってきました。
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舛屋さんは、明治から続く紙店。日本が戦争に向かってしまった頃、紙を含めた物資が統制になってしまい、作家たちは原稿用紙の不足に頭を悩ませていました。
そんなとき、質の良いカラフト産のパルプの在庫があり、生産することが可能だった舛屋さんは、丹羽文雄氏からの依頼を受けて原稿用紙を作ることに。
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その原稿用紙は当時の作家たちの間で評判となって、川端康成氏を筆頭に、井上靖氏、司馬遼太郎氏など多くの方からの注文が入るようになり、満寿屋ブランドに。その人気は現在も継続し、多くの方々に愛され続けています。
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そんな満寿屋と松浦さんとの出逢いのきっかけは、放送作家・脚本家として大活躍する小山薫堂さん。
松浦さん曰く、「『暮しの手帖』の編集長時代に、小山薫堂さんからお声がけいただいてテレビ番組に出演しました。その御礼に とある品ものをお贈りしたら大変喜んで頂けたようで、その返礼として、僕の名入れをした満寿屋の"一筆箋"と、封筒をプレゼントしてくださいました。薫堂さんが"毎日使用しているものと同じものを"とのことでした」。
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「素敵なプレゼントで嬉しかったので大事に使っていましたが、先日ついに使い切ってしまったので、今度は自身で注文したいと思って、一筆箋に加えて原稿用紙もお願いすることにしました」。
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