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【松浦弥太郎氏が体験】オーダーメイドのインソールで 身体が劇的に正しく整う!

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高額ですが、身体を正しく矯正できるとあれば むしろ安い! 絶対に体験する価値アリです

東京・下北沢、南口(※現在は長期改装中)を降りた路地の先にある雑居ビルの4階。周りの店舗とは一線を画す、センスの良い空間が広がります。スティーブ・ハリソンの器、ピーター・アイビーのガラス器、アンティークのキャンドルスタンド、神楽坂の小路苑でオーダーしている花など、美しいモノたちに囲まれたショップ兼アトリエには、洗練された空気が漂っています。

この空間の主は、森健さん。日本におけるインソールの第一人者として活躍した森 公一さんを父に持ち、子どもの頃から手伝う内に自身もその重要性に興味を抱き、大学卒業後にはフットケアの先進国であるドイツに2年留学。インソールについてさまざまなことを学び、父の背中を追うかたちで、この地にシューズのインソールをオーダーメイドで作成する専門店「FOOTWORKS(フットワークス)」を2011年にオープンさせました。

こちらでインソールを作る場合、初回は診断・測定・オーダーメイドインソール作成に足のケアがついて、4万5,000円+Tax。その価格だけ聞くと、かなり高額には感じますが…、実際にオーダーし、森さんのアドバイスを受け「正しい身体の使い方」を自ら意識して実践すると、腰痛や肩こり、頭痛などの悩みが解消されると各所で話題になり、スタイリストやフォトグラファー、役者やミュージシャンなど、有名人にも顧客は多数。確かに、日々マッサージや整体などに通っては完全回復することなく地味にお金を使ってしまっていることを考えれば、この価格は決して高くはないかもしれません。

そこで今回は、「フットワークス」の魅力を体感するべく、エッセイストであり編集者、『くらしのきほん』を主宰する松浦弥太郎さんと一緒にインソールをオーダーしにお邪魔しました。

ニューバランスを愛用し、サンフランシスコの北部のグインダ村で作られてる手作りの靴「マレー・スペースシューズ」を求めて何時間もクルマを走らせるなど、シューズに対するこだわりは人一倍強い松浦さん。最近は腰痛に悩まされ、趣味であるランニングにも支障をきたしてしまうことがあったんだそう。

作成にあたり、まずは裸足になって、専用の器具で足型を取ります。青いインクの色の濃さで、どの部分に体重が乗っていて、どう傾いているのか、左右のバランスなどを見るそうなんですが、森さん曰く、これはあくまで確認作業。お店に入ってきた瞬間に、歩き方や足音、身体の動きなどを見て、だいたい身体の歪みは分かってしまうんだとか。

右足に濃い部分が多く、重心が右に傾き、かかとに捻れが生じてしまっている松浦さんの身体のクセ。このため腰も右に歪んでしまっていて、腰痛を引き起こしているという問題を修正すべく、インソールを作成していきます。

「松浦さんのかかとは外を向いてしまっているんですが、歩くときの進行方向は前へ向かうので、かかとが一度外に向かってから前に捻って戻すという動きをしなくてはいけなくなっています。それが腰痛の原因でもあるので、補正しなくてはいけません」と、森さん。

ベースとなるのは、森さんが長年の経験の元にセレクトしたドイツ製のソール。これに足の形に合わせてカットした発泡性のラバーを貼り付け、松浦さんの足を矯正するインソールを型取り、グラインダーで削って微調整を繰り返します。

微調整しつつ、足の下に置いてみて、身体が正しい姿勢を保てているかをチェック。最初のインソールを作り上げていきます。

ただ、森さんとフットワークスが信頼できるのは、ここから。この手のお店の場合、作って終わりなところが多い気がしますが、森さんから足のケア方法としてストレッチの仕方についてレクチャーが始まります。

まずは、左足の指の間に右手をはさみ、左手で親指の根本を押さえて、時計回りに10回、逆に10回と回転させます。続いて、左手で押さえる場所を足の甲のいちばん高い部分、足首、かかとへと移動し、同じ運動を繰り返します。左足を終えたら、同様に右足も。

「この運動は、足の関節の動きをしなやかにします。動きが柔らかくなれば、血行もよくなり、土台である足が正しい位置に収まりやすくなります。この運動を、できれば朝昼晩と3回できれば理想的ですが、少なくとも毎日欠かさずに行ってください。インソールを作ったからといって確実に身体が良くなるものでもないんです。あくまで道具なんで、使い方だったり、普段の意識の仕方次第でだいぶ違ってきます」と、森さん。さらに、シューズの選び方から歩き方、身体の使い方までを意識して、正しい動きを行うことで身体の歪みを直していく方法を伝授します。

これで初回は終了。作った仮のインソールを入れて履く生活を約1ヶ月過ごし、再度来店してインソールを調整(3,000円+Tax)。さらに約1ヶ月履いて最終調整をし、見栄えの良くなるレザーを貼って完全版となるインソールを完成させます。

松浦さんは「インソールを調整して貰うと、最初の1〜2日は若干履き心地に違和感を感じるんですが、それが逆に気持ち良かったりするんです。軽い矯正なわけですが、不快な矯正ではなく、良い方向に向かってる感じがしますし、それでいつの間にか慣れてしまっているんです」と語ります。

ここまでで約5万円ほど費やしていますが、松浦さんの身体の歪みは補正され、正しい姿勢に。悩まされていた腰痛もまったく消えてしまったとのこと。ただ、インソールを入れていないシューズを数日履くとまた痛くなってしまうので、インソールなしの生活は考えられなくなったんだそう。

完成したインソールに乗ってみて、松浦さんは「全然違いますね。体重の乗り方が均一になってるのを感じます。どこかに偏ってたりもしていない。インソールって今までの感覚だと、靴の中に入る"異物"じゃないですか。そしてデコボコして隆起した硬いものが入るので、一見大丈夫なの?と不安にはなるんです。でも、実際に作って使ってみたら、そんな不安が無駄なくらい、歩きにくいとか立ちにくいとかっていう違和感が一切ない今までだと一日靴を履くと夕方くらいに早く靴を脱いで裸足になりたいと思うことがあったんですが、このインソールを使ってからはそう思うことがなくなり、ずっと履いていたいとすら思うようになりました。飾りたくなるくらい愛着も湧いていますね」。

この快適さを知ってしまった松浦さんは、ランニングシューズ用のインソールもオーダー。ランニング用はつま先まであって、普段用よりも柔らかく、素材も異なります。購入時にスニーカーに入っている既成のインソールは抜いてしまい、入れ替えて履きます。

後日、このインソールを入れたランニングシューズで走った感想を尋ねると、「とにかく、楽に走れました。いつもに比べ、上半身のちからが抜けて腕も振りやすいし、その分、効率よく走れているようです。腰痛は一切なくなりました。一言で言うと"まったく疲れない"です」と、ランニング用のインソールも快適でフィットしているようです。

そして「やっぱり自分に合ったものを身につけるっていうのはイイですよね。最近はスーツを着る機会も減り、革靴は冠婚葬祭くらいでしか履かなくなったので良いタイミングだったとは思いました。でも、やっぱり革靴ってカッコいいので欲しくなるんですよね」と、松浦さん。

そんな想いは森さんも同様に抱いていたようで、このオーダーメイドインソールのための専用オリジナルシューズブランド「STEMSHOES(ステムシューズ)」もスタート。「フットワークス」のインソールの性能をより効果的に引き出せるように、木型から設計しているのが特徴です。ひとりひとりの足に合わせた靴を作るのは、工場や職人に高度な技術が必要とされるためハードルが高く、諦めかけたこともあったそうですが、良いビスポークの職人に出逢えて手を組めたため理想に近いシューズが完成しました。

インソールが完成した松浦さんは、サンプルに興味が湧いたようで、内羽根のストレートチップにトライ。サンプルは木型をいじっていないノーマルな状態で、ここからひとりひとりの足の形に合わせて木型を調整して、ハンドソーンウェルテッド(手縫い)製法で靴を仕上げていくんですが、「サンプルなのに履きやすくて、この時点で気持ちイイ! 立ってるときのリラックス感が他の革靴とは全然違います。足がホールドされてるから、スニーカーよりも履きやすいかも」と、松浦さんは感動した模様。

サンプルは、イタリア産の最高級カーフを使用していますが、現在は使える革のバリエーションも充実し、さらに型数も増えています。

価格は15万円からですが、木型の調整をして手縫いの靴とあれば、インソールの作成代を加えても破格。早速、松浦さんも購入を検討していました。

最後に、「森さんのインソールは、立ったときの自分の姿勢に違いを感じますし、バランスが整ってる気がします。身体の変な部分にちからが入ったりしないし、例えると地面から手が出ていて誰かに支えて貰ってるような感じ。抜群の安定感です。それに、朝起きがけの身体の強張った感じもなくなったし、本当に不思議です。インソールでこんなに変わるなんて…。

前から靴の大切さは自覚していたはずなんですが、問題があった場合にどう解決させれば良いのかは分からないじゃないですか。そんなときにインソールの重要性を教えて頂き、良いタイミングで試すことができたと思います。日に日に改善されていくのも実感できましたし。自分で体験したことで、こういう価値に対してお金を払っていることにも納得できました」。

少し高額で最初の一歩めを踏み出すには勇気がいりますが、絶対に損をしない「フットワークス」のオーダーインソール。正しい身体を取り戻すことは結果すべての改善に繋がり、きっと生活も豊かになるはず。そこへの投資だと思って、一度試してみてはいかがですか? 見える世界が変わりますよ!

Photo:Yasuyuki Takaki
Experiencer:Yataro Matsuura
Edit:Ryutaro Yanaka

松浦弥太郎
エッセイスト、編集者

2005年より『暮しの手帖』の編集長を務め、その後ウェブメディア「くらしのきほん」を主宰。現在は(株)おいしい健康の取締役。新聞、雑誌、数々のメディアで連載を持つ他、「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」など著書も多数。NHKラジオ第一「かれんスタイル」のパーソナリティとしても活躍。1965年東京生まれ。

【問い合わせ】
FOOTWORKS(フットワークス)
東京都世田谷区北沢2-12-10 SSビル401
03-6450-8299
営業:11:00~20:00
不定休
完全予約制
http://www.footworks-tokyo.com/
Instagram:@footworks_stemshoes  #足と身体のはなし



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