〈後編〉【狂った愛情】「私だけを見て」別の女になりすましDMを送り続けるシングルマザー

和樹は浮気をしているのではないか、もう自分のことを好きではなくなってしまったのではないか…と奈緒は心配するように。

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「もしかしたら出会い系サイトで新しい人に連絡をとっているのではないか？」そう思い始めると、奈緒は居ても立っても居られなくなり、知り合ったサイトを急いで開く。するとそこには驚きの表示があった。

『オンライン５分前』

和樹が数分前にログインをしたという証拠が出ていたのだ。

何を信じたらいいかわからなくなってしまった奈緒は、自分の目で確かめようと少しブラックな決意をした。

まず、別のアドレスから出会い系サイトに登録をする。そして、友人の写真を使ってプロフィールを架空の人物に設定し、和樹にメッセージを送ったのだ。

「初めまして。かっこいいですね！　ユキです。よろしくお願いします」

数時間後……和樹からユキのアカウントに返事がきた。

「メッセージありがとう。横浜在住の和樹です。よろしく」

奈緒は怒りとショックで手が震えて止まらない。でも彼女がいると認めてくれたら許そうと思い、一番訊きたいメッセージを返信する。

「私は静岡です。少し遠いですね。こんなに素敵なら彼女いるんじゃないですか？」