※この記事は取材を元に構成していますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しています。あらかじめご了承ください。
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加藤マナ(仮名)は、32歳のシングルマザーだ。しかし、20代前半といっても通じそうなほど、その外見からは若い印象を受ける。
子どもは3人とも女の子で、画像を見せてもらったが、どの子もマナにそっくりだった。
「今のところ、娘たちはあたしに見た目だけは似てるね。中身は似ないでほしいんだけど」
そう言って、マナは苦笑した。
マナは東京生まれ東京育ち。今でも、実家に暮らしている。
「学生時代は、ほんとさえなくて。小中と、成績も悪かったし、かといって運動とか美術とか、何か特技があったわけでもなかったから」
©︎gettyimages
マナの成績の悪さは、それこそ通知表に1が並ぶレベルだったという。やりたいこともとくになかったため、中学では帰宅部だった。
「小学校のときからそうだったんだけど、中学ではとくに、男子生徒のことばっかり気になってたんだよね。なのに、カッコいい男子には全然相手にされなくて。女友達と、誰かの悪口言うのが一番の楽しみだったなぁ」
そんな“さえない”マナの学校生活だったが、中3の一学期に転機が訪れる。学年でも人気のある男子生徒と、映画館デートをすることに成功したのだ。
「もう、有頂天になったね。これであたしもカッコいい彼氏ができると思ったんだ」
しかし、相手の男子生徒は別にマナのことが好きなわけではなかった。後日告白したところ、振られてしまったのだ。
「めちゃくちゃ悔しくて。だから、映画館デートしたことを自分から言いふらしたよ。皆が注目してくれて、それはそれでうれしかったかな」
当然だが、その男子生徒にはよけいに嫌われた。
「お前みたいなブスとは付き合えないわ」とまで言われたそうだ。
「そこから、あたしの人生が狂っていくんだよね~」