人気車ハリアー&RAV4、セダンのカムリにも負けたクラウンの残価率
新車転がしの名人、MAD平塚氏から速報メールが届きました。「早速、クラウン・クロスオーバー買いませんかって声を掛けてくれたんだけど、値引きゼロ、残価率査定5年36%だって。下取り40万円プラスっていわれたけど、もう少しカムリ乗りますわ」だと。買取保証型の残価設定ローンの場合、トヨタだと販社任せの部分もあり、また地域ごとに金利も様々。しかし、多少のバラツキを考慮しても36%とはかなりキビシイ感じ。販売面でもう少し後押ししたいところです。
ザックリ計算してみます。イチバンお高いモデルが2.4Lターボ∔モーター搭載のハイブリッド車(AWD)『CROSSOVER RS“Advanced”』で価格は640万円です。残価率を算出するには消費税10%を除いた税抜き価格がベースですから、その金額を計算すると約581万8000円となります。そこから据置額の36%を算出すると約209万4000円と出ました。金利は借入額全体にかかりますが、残価率が高ければ総支払金額は少なくなります。
トヨタSUVに関していえば、5年で残価40%切るモデルはないのでは? という人気ぶりです。ハリアーやRAV4なら3年パターンで他メーカーのライバル車に負けたとしても、5年パターンなら残価率は逆転大勝利。その分、お高いメーカーオプション(車両本体価格に含まれる計算)を装備してもおつりが来ます。同じトヨタでも人気車に乗り換えるならプラス査定だって十分に期待できるのです。
なぜこんな状況に陥るのか? 簡単にいえば需要と供給のバランスです。新車が不人気なら中古車も同様であり、特殊な趣味車でもないかぎりクルマの価値が見直されることはありません。先代クラウンはこの負のスパイラルに陥り、終盤の残価率は5年パターンで30%以下に低迷。車両価格そのものもカムリより高く寝落ち感ハンパなし。トホホであります。
しかし、クラウンは飛び切りの可能性を秘めていたと考えます。威厳があって誇らしく、お金があったら一度は乗ってみたいと思える数少ないクルマでした。それはセダンを超えたジャンル、というより、ある意味で特別な価値観を確立していたと思うのです。もはやセダンとかSUVだとか、そんな次元のクルマではなかった。
これ以上この話を引っ張ると脱線するので止めますが、トヨタは上位にセルシオを作りクラウンを。日産は好敵手シーマと投入し大ヒット。しかし、セドリック&グロリアを上手く1車種に統合できたにもかかわらず、上位にフーガを置くことで無事死亡フラグ。まだセルシオユーザーはレクサスに移行すればいいのですが、「じゃあ、どうすんだよクラウン?」って問いに、結論として開発陣も答えを見いだせなかった、というのが過去の経緯かと思います。
この先、順当ならクラウンは第2弾としてセダンがデビューするのですが、「残価率なんて関係ないよ」ってユーザー層に刺さるほど、ブツヨクを刺激する魅力があるのか? この点が問われることになります。気になるのは抑揚のないサイドビューで、フロントガラスAピラーの付け根からリアエンドまで、地面と平行に一直線に伸びるショルダーラインです。ちょっと淡白な印象がぬぐえません。実サイズは不明ですが、新型も先代同様に長すぎて使い勝手が悪そうに見えてしまいます。う~ん、心配。