いっそコスプレ感を楽しむのが正統です
先月からスタートした「干場編集長のスタイルクリニック」略して【スタクリ】。第7回目となる今回は、第6回でご紹介したMA-1から飛行機つながりとなるパイロットシャツです。これはまた意外なセレクト! 果たしてその真意は!?
ここ数年、Tシャツやポロシャツなどスポーティなトップスばかりがもてはやされてきましたが、ここにきてシャツ人気が高まっています。そんな中、気温がどんどん高くなってきた今夏は、ビジネスマンたちの間で半袖シャツの需要が高まっているんです。そこで……。
「今回オススメしたいのは、パイロットシャツです」
前回のMA-1に続き、またもや映画「トップガン マーべヴェリック」の影響!?
「はい、そうです! マーヴェリックのコスプレです! というのは冗談で、パイロットシャツは普通の半袖のシャツと比べて、オトコらしさが増すんです」
そもそもパイロットシャツとはどういうものなのか?
「大きな特徴として、両胸に付けられたポケットと、肩のエポレットが挙げられます。今回ご紹介するのはエポレットがありません。正確にはパイロットシャツ風となるのですが、エポレット付きだとさすがになりきり感が出過ぎてしまうので、これぐらいのさじ加減が良いかと」
では、パイロットシャツの魅力とは?
「正直に言うと、制服萌え狙いです(笑)。だって、男女問わず皆さん制服好きでしょ? 単にエロい意味だけじゃなく、制服って誰でもカッコよく、精悍に見せてくれる効果があるんです。だから、ある程度コスプレとして楽しんでOK。それから、一般的な半袖シャツって、カッコよく着こなすのが結構難しいんです。理由は物足りなさが出てしまうから。胸ポケットがあることで、夏のシャツスタイルでありがちな物足りない感じを払拭してくれるんです」
なるほど、確かに半袖シャツでは腕まくりテクニックも使えませんからね。説得力があります。とは言え、エロ目的な側面も否めなさそう・・・。その辺りは、動画を見てご判断を!
「干場編集長のスタイルクリニック」はYouTubeとの連動企画になっています。動画でさらに詳しく解説しているので、そちらも是非チェックを!
ARCODIO/アルコディオ
茶化しは一切なしで、ストイックに着こなすべし

タイ6050円/アルコディオ(ミニマルワードローブ)、パンツ4万2900円/ピーティー トリノ(ピーティー ジャパン)、腕時計134万2000円/IWC、ベルト14万3000円/フィクサー(アルト エ デリット)、靴5万5000円/ダブルエイチ(オリエンタルシューズ)、エルメスのバッグは干場編集長の私物です
エポレットを排除し、リアルな街着として仕上げたパイロットシャツ。クリーンな白生地にブラックのスラックス&タイとでモノトーンスタイルに。「これ、かつてプラダが提案していたスタイルなんです。パイロットシャツのオトコらしさを強調するためには、下手に色を使わない方が得策です」。ネクタイを合わせれば、より雰囲気アップ。そしてジャケットがなくても、キッチリとして見えます。
無駄な余白を省いて制服らしい端然さを主張

パイロットシャツだけでなく、全体的にジャストフィッティングがオススメ。「ジャストフィットによるストイックな雰囲気は、まさにパイロット感あり! パイルロットシャツは、どちらかと言えば鍛えたカラダに似合いますよ」
干場編集長アドバイス①「サングラス」
もはやコスプレを誤魔化さない方が吉

少々やり過ぎ? いえいえ、いっそここまで振り切った方がいいんです。「パイロットシャツにはティアドロップサングラス。少々ハマり過ぎてる感がありますが、色付きやグラデではなく、シンプルなブラック単色なら意外に馴染みヨシです」
干場編集長アドバイス②「時計」
さりげなくもやっぱり空つながりで

「すいません、これは完全に狙ってます(笑)。でも、クロノグラフやタキメーターといった、いかにもなパイロットウォッチじゃないのでアリかと」。セラミック製ケースを採用したビッグ・パイロット・ウォッチ43・トップガン。シンプルなデザインはイマドキなビズスタイルにも。
干場編集長アドバイス③「バッグ」
バッグは黒レザーブリーフでフライアウェイ

パイロットシャツ×ブラックタイによる精悍な雰囲気は、夏のクールビズスタイルに打ってつけ。「さすがにアタッシュケースはやり過ぎ感が出るので、レザーのソフトブリーフケースでパイロットの雰囲気とビジネスバッグとしての実用性を両立」
干場編集長アドバイス④「ベルト」
小物は真面目なぐらいがちょうど良し

ベルトもやはりオトコらしい1本を。幅広で肉厚なブラックレザーで、バックルも規律正しさを想起させるスクエアメタルで。「足元がプレーントゥのレザーシューズなので、それと雰囲気を合わせるのがポイントです。」
干場編集長アドバイス⑤「シューズ」
余計な装飾は排して、プレーンに徹するべし

足元はスニーカーではなくレザーシューズが適任。色はもちろんブラック。装飾性を省きつつも、あくまで半袖なのでソールが厚手のカジュアル顔を。「これ以上にして、以下もなし。ジャストフィットなコーデに対して、足元にはこれぐらいのボリュームがバランス良し」
ARCODIO/アルコディオ
これを着てモテないオトコはいない!?

袖の後付けといったイタリアのカミチェリアを想起させる高い仕立て技術を用いながら、トレンドに沿った提案も積極的な同ブランドが作るパイロットシャツ。実はこちらは、干場編集長の監修によるもの。90年代のプラダをイメージしたのだとか。
decollouomo/デッコーロウォモ
タイドアップもノータイも様になります

見栄えと着心地の両立を掲げる同ブランドらしく、こちらもシルクのような上質な風合いと吸湿放湿性の高い日本製エクスクルーシブ生地コンコルドを採用。見ての通りジャストフィッティングですが、立体的なパターンにより美しい着姿と快適性を両立します。
decollouomo/デッコーロウォモ
カラバリで揃えておくと結構便利です

こちらは上のカラバリ。国内のファクトリーで縫製された丁寧な作りを披露しつつ、コンパクトなホリゾンタルカラーといったイタリア的な美意識もアピール。長袖も展開し、共に同ブランドにおいて筆頭人気を誇っています。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Ryoko Kanemoto
Hair&Make-up:Megumi Ochi
Model : Noah Ishikura
Text:Masafumi Yasuoka
Direction:Yoshimasa Hoshiba
【問い合わせ】
ミニマルワードローブ
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