■人気車種と共用するプラットフォームであることで、部品が不足
2020年から始まったコロナ禍の影響で、半導体を含む部品製造が追いつかず、クルマを十分に生産ができない状況がつづいている。そこへさらに、ロシアによるウクライナ侵攻(2月)と、中国のロックダウン(3月)など、経済活動を阻害する問題が立て続けに発生、部品供給不足に拍車がかかってしまった。
また、カムリが採用しているGA-Kプラットフォームは、RAV4、ハリアー(北米名ヴェンザ)など、世界的にも人気の車種で採用されている。いうなれば「部品の取り合い」のような状況で、GA-Kプラットフォームのモデルは、とくに部品が不足しているため納車ができず、販売が激減しているのだろう。
トヨタホームページにて工場出荷目途を確認すると、ガソリンとハイブリッドを併売する車種は、ハイブリッド車の方が出荷までの期間が長い。ハイブリッドシステムを制御するコントロールユニットなど、半導体をより多く必要とするハイブリッド車は、半導体不足の影響を大きく受けることが考えられる。ハイブリッドのみのカムリにとっては、より問題が深刻となっているのだ。
日産系の販売店で耳にしたのだが、スカイラインとフーガは、一旦生産を停止し、他車種に部品を供給しているという。筆者の憶測だが、カムリもスカイライン同様に、いったん生産停止し、より人気のある車種へ部品をまわしているのではないだろうか。
■心配ではあるが、必ず回復する!!
数少ない人気のセダンであるカムリ。貴重な存在であるだけに、できるだけ多くの人に愛されて欲しいと思うが、月販300台以下にまで、販売台数を大きく落としていることは心配な状況。しかしカムリはいいクルマだ。時間はかかるかもしれないが、部品供給がおちつけば、必ず回復してくれるだろう。
Text:Tachibana Kazunori,MMM-Production
Photo:TOYOTA
Edit:Ogiyama Takashi