ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
CAR 得するクルマ生活

補助金たっぷりで200万円切り!日産三菱連合の軽BEVに勝機はあるのか?

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録

■日産には「リーフを12年売ってきた」自負がある

ご存じのように、日産は、2010年にバッテリーEV「リーフ」を発売し、これまで12年にわたってバッテリーEVを、開発・製造・販売をしてきた。三菱もまた、2009年に軽サイズバッテリーEV「i-MiEV」を発売、法人を中心に2021年まで販売をしてきた。しかし現在は、トヨタもホンダもマツダもスバルも、バッテリーEVをもっている。日産と三菱は、軽バッテリーEVジャンルにおける先行者利益は得られるかもしれない。が、例えばホンダが、絶賛人気沸騰中のN-BOXを、同様のバッテリー容量をもつバッテリーEVとして登場させたら、あっという間に顧客を奪われてしまう可能性は大いにあり、「先に出したから市場独占」とは決してならない。

東京オートサロン2022に出展されていた、三菱の「K-EV concept X Style」。既存の「eKクロス」と変わらない外観だが、市販版もおそらくこのままの外観で登場すると思われる

それに関して、以前日産の国内EV営業担当へ取材したところ、「弊社がもつ強みとして、これまで世界中の日産車販売に携わる営業の皆さんが、リーフを売りぬいてきたという自信があります。バッテリーEVオーナーになるお客様への適切なフォローや、バッテリーEVに関するトラブル対処、どういったシーンでお客様が不安に感じたのかなど、膨大な経験とデータがあります。この経験値は、これからバッテリーEVに参入する他メーカーにはまだないものです。こうした情報を生かした軽バッテリーEVやアリアには、他車にはないおもてなしが入っていると思いますし、営業サイドにはこれらのバッテリーEVが出たら、他メーカーに売り勝つ自信があります。」とのことだった。

日産IMkのリアスタイル。デイズに似たリアスタイルだが、真一文字のテールランプや、独特な模様のホイールなど、質感が高い

ディーラーにある急速充電機をつかわせてもらうとき、日産ディーラーが営業中であれば、直ぐに店舗中へと案内をしてくれる。充電中に、暇を持てあました顧客を店舗へと誘導し、ドリンクを無料で振る舞うといった流れは、日産がいち早く導入したことだ。

店舗に入れば、新型車のカタログやメンテナンスの案内など、営業活動ができるチャンスが広がる。顧客が快適に過ごせるほど、将来、次のクルマを購入してくれる可能性だって、あり得る。こうしたコミュニケーションで得た、バッテリーEVに関するクレームや不具合、お客様が不安に思っている情報は、日産にとっては貴重な資産なのだろう。

 

■何が何でも負けられない戦いであるはず!!

初代リーフ同様、今回の軽バッテリーEVも、通常の軽自動車からどれほどお客様が流れてくるのか、また、セカンドカー、サードカーとして軽バッテリーEVを購入してくれるお客様がどれほどいるのか、全てがデータ取りのチャンスとなる。その結果を元に、次なる軽バッテリーEVの企画開発に生かされていくはずだ。

リーフやiMiEV、ミニキャブMiEVで得た「資産」がある日産・三菱には、今回の軽バッテリーEVは何が何でも負けられない戦いであるはず。勝機はある。「資産」を最大限活かし、この軽バッテリーEVで両社が再び活気を取り戻せることを期待している。

Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:NISSAN、MITSUBISHI
Edit:Takashi Ogiyama



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5