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いつできる?何ができる?僕らも住める?トヨタの未来都市「ウーブンシティ」を解説

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安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

2020年1月に、ラスベガスで行われたCESで豊田章男社長が構想を発表してから約2年、2022年2月23日(富士山の日)に、静岡県裾野市にて着工したWoven City(ウーブン・シティ)。

もともと、トヨタ自動車東日本の東富士工場があった場所につくられるウーブン・シティについて、トヨタは「ヒト中心の街づくりの実証都市」としています。自動車メーカーであるはずのトヨタは、ここで一体、何をしようとしているのでしょうか。

 

■住人は研究者やエンジニア、科学者などから

将来的には「もっと広い意味のモビリティカンパニーへと変革を目指す」としているトヨタ。その検証を行うため建設されているのが、このウーブン・シティです。

ウーブン・シティには、自動運転、パーソナルモビリティ、ロボット、人工知能(AI)技術などをはじめとする様々な領域の新技術を集めたリアルワールドの構築が予定されています。具体的には、地上に自動運転モビリティ専用、歩行者専用、歩行者とパーソナルモビリティが共存する、3本の道を網の目のように織り込み、地下にはモノの移動用の道を1本つくり、それぞれがどれほど役立つのかを、実証していくそう。

地上に自動運転モビリティ専用、歩行者専用、歩行者とパーソナルモビリティが共存する、3本の道を網の目のように織り込み、地下にはモノの移動用の道を1本つくるというウーブン・シティの完成予想図

無人のバスやタクシー、地下通路を無人で走り荷物を輸送するAIトラック、AIによって渋滞が全くおこらない交通網など、我々がドラえもんやSF映画の世界で見た「未来のモビリティ」が本当に役立つのかを検証する、そういったイメージに近いかと思います。人や乗り物が快適に移動できて、CO2排出削減を含む環境対応まで考え、どうしたらよい都市がつくれるのか、都市環境も含めた検証を行うのが、ウーブン・シティなのです。

まずは高齢者、子育て世代の家族、発明家の方々を中心に、初めは360人程度、将来的にはトヨタの従業員を含む2000人以上の住民が暮らし、社会課題の解決に向けた発明を、タイムリーに生み出せる環境を目指しています。

 

■トヨタのプロジェクトに参加する人であれば住める可能性も

つい先日(3月23日)、トヨタとENEOSは、ウーブン・シティで、CO2フリー水素の製造と利用の研究開発を共同で推進するプロジェクトを開始しました。ウーブン・シティの隣接地に水素ステーションを建設し、再生可能エネルギーでCO2フリー水素を製造する水電解装置を設置すること、製造したCO2フリー水素を乗用車や商用車など様々なFCEVに供給すること、さらにはパイプラインでウーブン・シティに供給すること、こうした検証実験を行っていきます。

トヨタとENEOSは、Woven Cityで、CO2フリー水素の製造と利用の研究開発を共同で推進するプロジェクトを開始した

運営開始は、2024~2025年のウーブン・シティ開所前を予定しています。こうしたプロジェクトに参加するメンバーや、その他の研究者やエンジニア、科学者など、この街を使った研究活動や実証実験を行っていく方たちであれば、ウーブン・シティに住むことができるかもしれません。ウーブン・シティは、「シティ(都市)」という名がついていますが、その使われ方は「開いた研究所(ラボ)」であり、ウーブン・シティのプロジェクトに参加していない人が普通に生活するのは、すこし難しいかも知れません。

 

■まとめ

トヨタは、「ウーブン・シティは更地の上にできる街ではありません。皆さんが働いた場所、残してくれた歴史の上にできる街です。」といいます。トヨタ自動車東日本の東富士工場で働いてきた多くの技術者、エンジニア達の想いが積み重なった場所であり、最盛期には2000人が在籍、延べ7000人が職務に付いていたとのこと。総生産台数は752万台、センチュリーからJPNタクシーまで多くのクルマが誕生した工場です。

2022年2月23日(富士山の日)に、静岡県裾野市にて着工したウーブン・シティ

現在ウーブン・シティは、整地を進めている状況です。どんな未来都市を実現してくれるのか、2~3年後に予定されている開所が、非常に楽しみです。

Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:TOYOTA,TOYOTATIMES,WOVEN CITY
Edit:Takashi Ogiyama



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