料理芸人のクック井上。です! “飲食店は開店してから、2年以内に半数が閉店に追い込まれる”
というデータがある中、町には長年お客さんに愛され続けてきた洋食屋さんがあります。
そんな老舗の洋食屋を巡り、その想い、歴史、人、町に触れる連載コラム【洋食天国】
vol.29は、渋谷『喰いもの屋おおき』にやって参りました。

渋谷駅[B2]出口から徒歩1分とアクセスばっちりな、明治通り沿いの雑居ビルの2Fあります。創業は今から26年前と洋食屋さんとしては比較的歴史は新しいが、このお店を開店するまでには長い歴史が! その話はまた後でにすると致しまして、まずはお腹を満たしましょう。
さて、何を注文しようか…、入り口にも店内の壁にもたくさんのメニューがあって迷う! そんな中、発見したのが“限定”の文字。

さすが洋食屋さん、「牛カツ定食」ではなく「ビーフカツレツ定食」ってのが良い! 今日は「ビーフカツレツ定食」(1320円)で決まり! 作って下さるのは、店主の大木信治さん。

店主の大木信治さんと奥様の大木直美さん、二人三脚で営まれています。今回も特別に、お料理の工程を拝見させていただきました。
■極上の「ビーフカツレツ定食」の作り方
程よく脂身が残った牛肉に小麦粉・溶き卵・パン粉を纏わせていきます。揚げ油は高温180℃。脂の部分だけ少し長めに揚げて調整、全体的には短時間で仕上げます。こんがりきつね色のビーフカツレツの揚げ上りは油切れもよく、見るからにサクサク!

包丁を入れると、肉の中心部はまだ赤く、ここから少しずつ余熱で火が入りミディアムレアに近づきます。皿に盛り、かけるのはお店特製のデミグラスソース。

開店当時から継ぎ足し継ぎ足しの自慢のデミグラスソース。横にある大きな寸胴が半分になったら新たに作ったデミグラスソースを足し、それを繰り返し26年……。

“0コンマ何パーセントかは、26年前のデミグラスソースだよ(笑)”と大木信治さん。レードルですくって、ビーフカツレツの下半分にかけていきます。さて、そろそろ完成の香りがしてまいりましたので、席に戻りましょう。
【後編へ続く】
「喰いもの屋おおき」の絶品ビーフカツレツを食べたら●●だった