料理芸人のクック井上。です! “飲食店は開店してから、2年以内に半数が閉店に追い込まれる”というデータがある中、町には長年お客さんに愛され続けてきた洋食屋さんがあります。そんな老舗の洋食屋を巡り、その想い、歴史、人、町に触れる連載コラム【洋食天国】。今回は、高田馬場『キッチン ニュー早苗』にやって参りました。
「アポロ11号月面着陸」「沖縄返還」「東大安田講堂事件」などがあった1969年(昭和44年)創業。50年以上の歴史を誇る、町の洋食屋さんです。
店内には数えきれないほどのメニュー表が貼られており、ざっと数えただけでも100種類を超えます。本日はその中でも人気があるという「エビハンバーグ盛合せライス」を注文。“エビハンバーグ盛り合わせ”は、エビのハンバーグではなく、エビフライ+ハンバーグという洋食の王様と王様が一皿に乗る夢のメニューです。今回も特別に厨房にお邪魔させていただきました。
■伊東四朗さんが「エビハンバーグ盛合せライス」を作る!
お料理を作って下さるのは、2代目の伊東四郎さん。ビートルズファンという事で、ポール・マッカートニーTシャツがキマってます(そして、お名前から思わず“ニン!”“ナウゲッタチャンス”が浮かび、密かにテンションがあがります)。
お料理の方は、まず世のランチハンバーグの1.5倍はあろうかという大き目のハンバーグを焼いていきます。
お肉は合い挽きではなく牛肉のみを使用とのこと。期待感が高まります。その間にもう一方の主役であるエビフライの下ごしらえをします。
揚げあがりが真っ直ぐになるように斜めに包丁を入れてから下味・パン粉を付けて揚げていきます。そうしている間に、表面に香ばしい焼き目を携えたハンバーグは、約1週間かけて作られるお店自慢のデミグラスソースの中へダイブ。
そうする事でハンバーグの中まで優しくじんわり熱が通り、同時にハンバーグからは脂や旨味がデミグラスソースに移ってコクが増すという相乗効果をもたらします。
ハンバーグを皿に盛り、その上に美しい半熟目玉焼きが乗せられます。そろそろ出来上がるようですのでテーブルに戻ると致しましょう。