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新型フェアレディZは短命で終わるという声が

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■スポーツカーは自動車メーカーの誇り

新しいエクステリアデザイン、新しいエンジン、そして最新鋭のデジタルインテリアが与えられ、リフレッシュした新型フェアレディZ。だがその型式はZ34のまま、ビッグマイナーチェンジ相当であるのはご存じだろう。

現行Z34の販売台数は、14年間で約13万台(2020年は395台、2021年は461台)だ。1969〜1978年の10年間で48万台も売れた初代S30型や、1978~1983年の6年間で約42万台が売れた2代目のS130型のように、フェアレディZの売り上げが、日産の収益へ直接的に貢献していた昔とは、状況が大きく異なる(ちなみに、3代目のZ31型(1983~1989)は7年間で約36万台、4代目のZ32型(1989~2000)は12年間で約16万台、5代目のZ33型(2002~2008)は7年間で約23万台)。

東京オートサロン2022で登場した、アフターパーツを装着したコンセプトカー「フェアレディZ CUSTOMIZED PROTO」

日産としても、今回の新型Zが経営を救ってくれるとは思っていないはず。それなのに、古典的なスポーツカーである「Z」を、GT-Rよりも先に存続させることを決めた。それはやはり、「世界中にいるZファンのために用意しました」と、田村宏志CPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト))がいうとおり、Zこそが、ユーザーにおける日産の企業イメージを引っ張ってくれる存在だと判断したからであろう。

ただ、今回のビッグマイナーチェンジには、日産としては相当な覚悟が必要だったはず。なぜならZは、売れるモデルではない上に、いまのZ(Z34型)には、残された時間があまりにも少ないからだ。

 

■第一の壁はCO2排出規制

新型Zの寿命は、おそらく長くはないだろう。なぜなら、地球環境や健康保全を目的とした規制が、今後一気に厳しさを増すからだ。新型Zにとって厳しいのは「CO2排出量規制」、そして「騒音規制」のふたつだ。

歴代Zの中でも最強のユニットとなる新型フェアレディZのパワートレイン。パフォーマンスの高さは保証されたようなもの(トラクションコントロールがなければ簡単にホイルスピンするはず)だが、その反面、CO2排出レベルは酷いレベル。CAFE規制(走行1km走行あたりの企業平均のCO2排出量)では、基準を満たさなければ高額な罰則金が課され、この規制値は、段階的に厳しくされていく。もちろん日本も追従しており、「2030年以降に企業別平均燃費で25.4km/L(WLTCモード)を求める」といった規制案が提出されている。

「フェアレディZ CUSTOMIZED PROTO」のリアスタイル。リアのダックテールも懐かしさがあふれている

現行(E13)ノートが、WLTCモード燃費28.4km/h。8年後には、ノートを何台も何台も売って「貯金」をつくり、Zで出た燃費の「赤字」を埋めなければならない状況となる。Zは儲からないモデルであるばかりでなく、企業平均燃費でも足を引っ張る存在なのだ。



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