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FASHION 僕が捨てなかった服

バーバリーのデザイナーからプレゼントされた、思い出のトレンチコート

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人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

気分ではなくなってしましましたが、決して手放せません!

かつて編集者として出版社に勤めた経験があり、現在はファッション誌や広告、そして国民的アイドルからミュージシャン、政治家のスタイリングに至るまであらゆるシーンで活躍するスタイリスト櫻井賢之さん。

幅広い知識に基づき、クラシックからモード、ストリートに至るまで幅広いジャンルに精通する櫻井さんが、思い入れが強くて捨てられなかった服をご紹介する企画の第7回目は、バーバリープローサム(Burberry Prorsum)のトレンチコートです。

「このリネンのトレンチコートは、バーバリーのプレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めていたクリストファー・ベイリー(Christopher Bailey)が17年間在籍した社を去るタイミングでプレゼントしてくれたものです。2017年くらいですかね。

それが捨てられない1番の理由ですが、ただ、着てみるとシルエットがタイトで、まったく今の気分ではないんです。

当時はTシャツの上にサラッと羽織ってたんですが、肩周りがコンパクトなのが時代を象徴しているというか。

デザインはダブルで、セットインスリーブにエポレット付き。ミリタリーっぽいポケットが多めにつけられていますが、ベースはバーバリーの定番であるトレンチコートです。

そこにベイリーらしいアレンジが効いているんですが、モードの常というか、シルエットに時代が現れてしまうのでどうしても着づらくなってしまいます。

素材もおそらくアイリッシュリネンを贅沢に使っていて、ネイビーの色みも美しいだけに、もったいない。

時代が巡り、またタイトな気分になったらもう一度袖を通すかもしれません。

もしそんな機会がなかったとしても、デザイナー本人から頂戴したものなので、手放すことはないと思います」。

櫻井 賢之
スタイリスト

ファッション誌編集部員を経て、2001年よりフリーランスのスタイリストとして活動をスタート。メンズファッション誌にとどまらず、広告から芸能、音楽シーンに至るまで活躍の場を広げている。幅広い知識に基づく洗練されたスタイリングに定評あり。1971年、東京生まれ。

Photo:Shimpei Suzuki

Edit:Ryutaro Yanaka



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