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FASHION 僕が捨てなかった服

バーバリーのトレンチコートが、一生モノであるこれだけの理由。

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人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

頻繁に袖を通してますが、傷むこともなく、良さを褒められるほど

バーニーズ ニューヨークの顔的存在として、PRや自社メディア、オンラインストアを統括する中野光章さん。インディアンジュエリーに対する造詣が深いのは業界内外でも有名で、数多の名作を備えています。

ファッションにおいても、モードにとどまらず、古着、ストリート、はたまたアルティザンまで幅広いジャンルに精通する中野さんが、思い入れが強くて捨てられなかった服をご紹介する企画の第6回目は、バーバリープローサム(BURBERRYS PRORSUM)のトレンチコートです。

「ロベルト・メニケッティ(Roberto Menichetti)」というデザイナーが大好きでした。

ジル サンダーのもとでアシスタントデザイナーを勤め、1998年に登場したジル サンダーのメンズラインを手掛けており、リリースされるアイテムを見る度に非凡な才能をヒシヒシと感じていました。

そんな彼が、1999年よりバーバリー プロ―サムのクリエイティブ・ディレクターに就任することになり、2000年にはメンズをスタート。そのときにこのトレンチコートをリリースして、運命的な出逢いをするんですが、価格は まさかの30万超え…。

おいそれと買うには なかなか勇気がいりましたが、素材感とパターン、裏地の柄どれをとっても素敵過ぎて、我慢ができませんでした。

通常だとコートの裏地はバーバリーチェックなんでしょうけど、これはデフォルメしたチェックになっていたり洒落てるんですよね。

素材も例のバーバリークロスではなく、ウールベースに化繊混の独特な質感で、着てるうちに化繊が劣化して剥離とかが起こってしまうのではと心配したんですが、まったくの杞憂。

自宅で洗ったりもして意図的にヤレさせたので多少生地のヘタリはあるものの、20年以上ずっと着続けていますが何の問題もなく、現在も現役バリバリで活躍してくれています。

初期に比べると水の弾きは弱くなりましたが、多少の雨なら気になりません。

結果 確実に元は取れましたし、今でも着ていると『良いコートですね』とお褒めの言葉まで頂けます。

メニケッティによるバーバリー プローサムは上手くいかず、たしか2002年くらいに残念ながら更迭されてしまいましたが、やっぱり、あらためてメニケッティってスゴかったんだなと感心しています。

そして、このコートは一生離しません!」

中野光章
バーニーズ ニューヨーク クリエイティブサービス部 兼 EC部 アシスタントディレクター

1996年バーニーズ ジャパン入社。新宿店デザイナーズフロア、PR、セールスプロモーションの各マネージャーを経て現在はPR、自社メディア、オンラインストアを統括。インディアンジュエリーに深い造詣を持ち、座右の銘は「インディアンジュエリーは出逢ったときが最安値」。

Photo:Shimpei Suzuki

Edit:Ryutaro Yanaka



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