路上で突然タイヤがパンクした、ガス欠になった、バッテリーが上がった、など、クルマでの突然のトラブルの際に駆けつけてくれるJAF(正式名:一般社団法人日本自動車連盟)。
昨今、JAFのようなロードサービスは、任意保険にも備わっていることから「JAFは必要ないのでは?」と考えている方も多いだろう。しかし、JAFはドライバーのみならず、クルマを利用するすべてのユーザーにとって、便利なサービスが豊富で、しかもその多くは無料。あまり知られていない、JAFへ入会するメリットについてご紹介しよう。
■ロードサービス以外にも様々な業務が
JAFの主な事業は、ご存じの通り、ロードサービスだ。バッテリー上がりやタイヤのパンク、燃料切れ、動かなくなったクルマの牽引などを、24時間、365日体制で、全国どこへも救助に来てくれる。救援混雑時は会員が優先になるようだが、会員ではない方もロードサービスを利用することは可能だ。
そのほかのJAFの業務としては、国際自動車連盟(FIA)の四輪モータースポーツ統括団体として、スーパーフォーミュラに代表される、モータースポーツイベントの公認団体としての活動もある。また、JAF会員向けのサービスの提供や、小中学校での交通安全や地球環境保全問題の授業、会員誌「JAF MATE」発行、クルマに関する様々な疑問を実車検証するJAFユーザーテストなど、JAFはロードサービス以外にも、クルマに関するさまざまな業務を取り扱っている。
■任意自動車保険のロードサービスとの違いは??
クルマの任意保険にも、JAFのロードサービスと同じような内容のサービスが備わっていることが多い。が、任意保険とJAFのロードサービスには、ひとつ大きな違いがある。それは、任意保険はクルマにかける契約だが、JAFは個人と結んだ契約である点だ。つまりJAFは、任意保険をかけたマイカー以外でのトラブルであっても、ロードサービスを受けることができるのだ。レンタカーや社用車、親や友人のクルマを運転していたときだけでなく、同乗しているときにも使うことができる。
パンクの応急処置やエンジントラブル、雪道や泥道でのスタック、最近多い大雨による冠水などの自然災害など、大抵のトラブルに対応してくれる。さらには、バイクや原付でのロードサービスも対象であり、利用回数も原則、無制限となっている。もちろんJAFはロードサービスのみであり、任意保険の代わりにはならないので、任意保険とJAFの両方に加入しておくことで、充実したサービスと補償をうけることができる。
■JAF会員には様々な優待割引も!!
また、JAFの会員には、実にさまざまな会員優待サービスがある。JAF会員優待施設は、全国約4万7000ヶ所にも及び、宿泊施設、遊園地やテーマパーク、観光名所、動物園、温泉、入浴施設、アウトドア、グルメ、ショッピングなど、実にさまざまな施設で割引のサービスを受けることができる。なかには20パーセントも割引になる施設も。ちなみに、デリバリー限定で全品25%引きをするピザチェーンもあるので、ぜひ調べてみてほしい。
これらJAF会員優待サービスを利用するには、JAFのスマートフォンアプリが非常に便利だ。地図情報とリンクするので、近くのJAF会員優待割引利が利用可能な施設をひと目で確認することができる。例えば、「神奈川県」周辺で、「サウナ」と調べれば、6件がヒットする。入館料200円引きや20%引きなど、わりと無視できないサービス内容だ。クルマで出かけて、出先で会員優待を利用する。JAFはまさに、カーライフを充実させてくれるサービスが満載なのだ。
■料金はいくら?
気になる会費だが、個人会員の場合、入会金2000円(クレジットカード払いだと1500円)、年会費は4000円。個人会員1人につき5枚まで可能な家族会員だと、年会費2000円のみでOKだ。
「ずっとJAF会員だけど、こんなサービスがあるのは知らなかった」という方も多いかも知れない。実は筆者も、これほど充実しているとは知らなかった。さまざまな優待サービスがあるほか、突然のトラブルの際には安心して救援要請をすることができるJAF。ちなみに、バッテリー上りでJAFのロードサービスを利用した場合、JAF会員であれば無料だが、非会員は1万3130円もかかる。その他、猛暑で酷使した愛車の突然のトラブルにも無料で対応するサービスが多い。
人によって考え方は異なるだろうが、これだけのサービスを受けられるのであれば、入っても損はない。気になった方はこれを機に検討してみてはいかがだろうか。
Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:AC,JAF
Edit:Takashi Ogiyama