リアルな第8世代ゴルフと心に元気を取り戻すクラシックなゴルフ2
国産車・輸入車を問わず、いま自動車趣味人が注目するカテゴリーがネオクラシックなヤングタイマー、1980年代にヒットした名車たちです。一体何が魅力的なのでしょうか?
一口にクラシックカーといっても、色々細分化されています。大まかにいうと戦前モデルをヴィンテージ、戦後モデルをクラシックとカテゴライズ。当然、モータリゼーションは戦後に発展(大衆化)しましたので、ザックリいうと排気ガス規制後モデルがネオクラシックということになります。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/9/3/1200m/img_93f17b858f37cf4c43d581787a3c1ff8103575.jpg)
このネオクラシックなクルマのいいところは、ミニマルデザインの面影が感じられること。エンジンは成り行き任せなキャブレターからインジェクションとなり扱いやすく、エアコンやパワーステアリング、パワーウィンドウといった快適装備を搭載します。つまり、機能面でボトムラインが現在の最低基準に達しているのです。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/0/a/1200m/img_0a6bdadc5aad46de5529cbb38227776e190744.jpg)
いまジリジリと相場を押し上げているネオクラシックカーのなかに、輸入車の『フォルクスワーゲン・ゴルフ2』があります。現行型ゴルフは最新の第8世代ですが、今回取り上げるモデルは第2世代モデル。販売のタイムラインはバブル夜明け前の1983年から最盛期の1992年。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/0/1/1200m/img_0168d3d6874a7a92422b8398d0c58ae0143345.jpg)
初代ゴルフは偉大なベストセラーモデルであったビートルの後継モデルとして1974年にデビューしました。デザインは名匠ジョルジェット・ジウジアーロ。VW側の開発はヴェルナー・ホルステ博士が中心となり、安全性と機能性からFFとハッチバックのパッケージを採用。結果的に初代ゴルフは699万台の大ヒット。ピーク時には1年間に87万台を売り上げます。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/6/d/1200m/img_6d898013b1fb6a27edd050c4d4839f52132164.jpg)
1983年終盤、第2世代のゴルフが誕生します。居住性を向上させるべくボディサイズを拡大。快適装備もメニュー化され機能面でもドライバビリティが高くなっています。日本での発売は1984年から。長年VWの品質向上に貢献してきたインポーターのヤナセが継続し販売。もっとも安心して乗れる輸入車として、さらに名声を高めて行きます。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/2/a/1200m/img_2a720cf16e6115839a9b3775b6106736196369.jpg)
■VWゴルフ2(E-19RV / 1988-1991My)
ボディサイズ:全長3985×全幅1665× 全高1415mm
ホイールベース:2475mm
トレッド(前後):1430 / 1424mm
サスペンション(前後):ストラット / トレーリングアーム
エンジン:直列4気筒SOHC
ボア×ストローク:81.0×86.4
総排気量:1780cc
圧縮比:9.0
最高出力:105ps / 5400rpm
最大トルク:15.1 / 3800rpm
トランスミッション:5MT /3AT
車両重量:MT 950-1010 / 3AT 990-1050kg
タイヤサイズ:175 / 70R13
※上記データのグレードはCi / CLi / GLi
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/7/2/1200m/img_7222af3925d3d5573fc92b0d60547fcd73729.jpg)
狂乱のバブルはさておき、いま乗ってもゴルフ2は過不足なく、現在の交通事情にも対応可能です。そんなゴルフ2の最新動向に触れたく、過去に取材歴のあるゴルフ2専門店の『スピニングガレージ』にお邪魔しました。その様子は公式YouTubeチャンネルでお楽しみください。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/e/d/1200m/img_ed3c1587006dcaa2abe57ef106b41fe462631.jpg)
代表の田中さんによれば、現在ゴルフ2の相場は上昇中。「販売価格が上がった分は納車前整備でお客様に還元できるよう努めています」といいます。ゴルフ2好きが集まってできた専門店だけに、現在の相場は頭痛のタネなんだとか。同じクルマ好きとして同情するしかありません。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/e/6/1200m/img_e6df014d041cea4f1a2a430f029ab8c064840.jpg)
今回はゴルフ2とともに隠れ名車である同世代のセダン、『VWジェッタ2』もご用意いただきました。基本的なディメンションはゴルフ2と同じですが、トランクルームがあるので全長は+405mmの4390mmとなります。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/7/6/1200m/img_766c5f7deaf62b4e86278b20c71d55b267254.jpg)
トランスミッションはAT車でも車両重量は1080kgと軽く、相場観はゴルフ2より少なく見積もっても30~50万安といった印象。そして魅力的なのは、セダンなので前オーナーの扱いが丁寧なのかベース車両のコンディションはいい傾向にあるそうです。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/9/b/1200m/img_9b594b20df4de8facb635a7eb9617dba69698.jpg)
そして最後に取材中に発見したレアな社用車に同乗させていただきました。正式モデル名は『VWジェッタJ2-X』というジェッタ兄弟の2ドア車。1988年に限定600台で発売されたモデルです。本来、トランスミッションはATですが、この社用車はMTに換装。気持ちよくドライブを楽しませていただきました。ちなみにボディサイズは全長4315mm×全幅1665mm×全高1415mmとなります。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/3/8/1200m/img_38f36004800c943b07b361dd5f4877d666895.jpg)
前回の取材時は“中年のモテ車”として取り上げましたが、その傾向にいまも変わりなく、その要因を田中さんは「ゴルフ2は運転がうまく見えるクルマ」と分析します。助手席で撮影を担当したアイリちゃんも「運転する姿がカッコいい」と評します。「惚れてまうやろ~」。そんなゴルフ2も最終モデルからもうじき30年です。
![](https://forza.ismcdn.jp/mwimgs/c/a/1200m/img_cad964b890096d0aa8a29c9f07917e6459309.jpg)
いまでも多くのパーツがメーカーから供給されるゴルフ2。無論、欠品パーツもありますが、いまでも新品のダッシュボードが供給されるネオクラシックカーはザラにはありません。一度、試乗されてはいかがでしょうか。ワタシと同じ中年なら、きっと元気になれると思います。
Text by Seiichi Norishige(中年B)
Video by Yoshihide Shoshima
Model by Airi
【車両に関する問い合わせ】
スピニングガレージ
住所:神奈川県相模原市緑区長竹2748-1
TEL:042-780-8198
営業時間:09:00~18:00
定休日:水・木曜日