最速のゴルフが邦貨600万円から入手可能。
VWゴルフファミリーの最強モデル新型『Golf R』がついに発売開始。価格は英国で£39,270.00、ドイツ本国が€50,220.00スタート。いまは予想の範囲を出ませんが日本仕様の価格はザックリ600万円台になるはず。
今一度、第8世代のゴルフを整理すると、スポーツ系の頂点がR(4WD)で最高出力320ps・最大トルク420Nm、FF最強モデルがGTIクラブスポーツ(£37,215.00)で最高出力300ps・最大トルク400Nm、GTI(£33,510.00)が最高出力245ps・最大トルク370Nmというパワースペック。
同じ2リッター4気筒ターボでも随分と違いますね……ということで、3モデルの出力特性や車重など調べようとプレスリリースや公式HPを散々眺めるも工業製品なのに記載なし。スポーツ性能を謳う以上、もう少し自動車好きを満足させる資料の提示があってしかるべきなのでは? と思います。
日本ではいまだ素のゴルフすら導入されませんが、欧州では既にフルラインナップ状態。お預けにもほどがあるでしょうと苦言を呈しておきましょう。デリバリーの遅れが響いていまやVWは輸入車3番手に後退。BMWが再び2番手に返り咲いているのですから。
新型『Golf R』の発表そのものは2020年11月でしたが、アップデートされた情報は価格が判明したこと程度。ニュルブルクリンク北コースを想定した『スペシャル』と『ドリフト』モードを追加した『R-Performance Package』(オプション)の価格は英国で£2,000。ですから、想定よりちょっと安いと感じるかもしれません。
ドンブリ勘定で約30万円というこのオプション、空力を重視した前後のエアロパーツ、18インチ(225/40)から19 インチ(235/35)へサイズアップしたタイヤ&ホイールの採用など、特別装備の内容を考慮すると良心的適正価格とえるでしょう。ちなみに最高速度は270km/hにアップします。
VWゴルフといえば世界基準のベンチマークとなる実用車という側面をもちますが、この価格でジャイアントキラーを可能とする性能を求めるコアなファンもいらっしゃいます。日本導入モデルは7速DSG仕様でしょうからシフト操作は電光石火。ライバルはメルセデスAMGの45辺りでしょうか。
個人的にはFFで軽快なGTIクラブスポーツ押しですが、オプション込みで約60万円アップの予算があればゴルフRが入手可能。いまはフツウのモデルでさえ絵に描いた餅ですが、2021年内には何とかフルラインナップの上陸に期待したいところです。
EVやPHEVをプッシュする一方でしっかりとスポーツモデルを売るVWの姿勢は大好きです。しれっとした表情でノーズの尖ったスポーツカーをぶっち切る。そんなシーンを妄想する自動車好きが世界中にいるのですね。
ベーシックなゴルフも素晴らしい仕上がりですが、是非一度、飛び切りスポーティなゴルフもご試乗ください。フツウに乗っても大満足なクルマであることを請け合います。
Text:Seiichi Norishige