シャツ、マナーを守って着ていますか?
襟付きのシャツは、ビジネスシーンやフォーマルはもちろんカジュアルにもスポーティにも用いられる、着こなしに欠かすことができないアイテムです。
襟の種類もさまざまですが、どんなものがあるのかみなさんご存じですか? また、きちんとシーンによって使い分けられていますか?
間違えてしまうとマナー違反になりかねない、シャツの世界について、今回はどのように使い分ければいいのかカラースタイルごとにご紹介していきます。合わせるネクタイの種類や締め方なども紹介していますのでぜひとも参考にしてくださいね。
その1:レギュラーカラー
名前の通り、最も標準的なカラースタイルです。襟の開きの角度など、その時代の流行によって定義が微妙に変わるのが大きな特徴だといえるでしょう。
就活、冠婚葬祭などではレギュラーカラーの着用が一般的となっています。合わせるネクタイのノット(結び目)はプレーンノットが一般的です。ノットが大きすぎると襟開きの部分に収まらず不格好になってしまいますのでご注意。
スタンダードなスタイルだからこそ、ジャケットやシューズ、ベルトなどの小物にこだわりが求められます。自分だけのスタンダードスタイルを磨き上げていきたいところですね。
干場編集長のこだわりはノットを小さめにすること。こうすることで首元がよりスッキリして見えますよね。
フォルムはシンプルに、しかし細かいところにしっかりこだわるのが干場流なんです。
その2:ワイドカラー
レギュラーカラーと並ぶ標準的なカラースタイルで、名前の通り、レギュラーカラーよりも襟の開きが広いのが特徴です。ビジネスシーンだけでなく、カジュアルにもオススメです。
英国のファッションリーダーだったウィンザー公(エドワード8世)が好んで着ていたことから「ウィンザーカラー」とも呼ばれ、英国ではウィンザーカラーが一般的なんです。
ネクタイのノットは大きめのワイドノットが良いでしょう。ちなみにワイドノットもウィンザー公が好んだため「ウィンザーノット」ともいいます。
こなれの効いた雰囲気が大人の男の色気を醸し出していますよね! 高級レストランでのデートなど、個性やファッション性を出していくならワイドカラーがいちばんかもしれませんね。
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こちらがワイドカラーを広めた張本人、ウィンザー公。
首元のゆったり感は大人の余裕を演出してくれますよね。威厳をより印象づけてくれるところがウィンザー公がワイドカラーを好んだ理由なのかもしれません。
その3:ホリゾンタルカラー
「ホリゾンタル=水平」という意味の通り、襟の開きが最も大きく、水平になっているのがこのホリゾンタルカラー。
襟の開きが180度以上のものであると、「カッタウェイ」という呼び方をしますが、ほとんどの場合はカッタウェイはホリゾンタルカラーの別名として扱われます。
太めのネクタイ、またはノーネクタイがよく似合うため、カジュアルやクールビズスタイルにオススメです。イタリアの男性に人気のあるカラースタイルで、じつはスポーツ選手がホリゾンタルカラーを着用していることが多いんです。
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イタリアの伝説的ストライカーのフランチェスコ・トッティもホリゾンタルカラーがお気に入りのようで、メディアではこのようなスタイルで登場することが多いですね。
体格が良い方やアスリートの方だと、首元に余裕のあるホリゾンタルカラーが着こなしにおいても、着心地においてもぴったりなのかもしれません。
こちらはサッカー界随一のレジェンド、デヴィッド・ベッカム。ノーネクタイでボタンを開けたこのスタイルは、きちんと感を残しつつ大人の魅力を爆発させています! サッカー界でも指折りのイケメンと言われるベッカム、さすがの着こなしです。
日本からは我らが干場編集長が登場!
ボタンを開けるラフスタイルでもいやらしくなく、むしろ上品に見えるのがホリゾンタルカラーの真骨頂。白を選ぶことで清潔感をも演出する計算し尽くされたスタイル。これは脱帽ものです。
この夏のクールビススタイルは、これをそっくりそのまま真似するのが大正解。ボタンの開けすぎには注意が必要! 開けても第2ボタンまでですよ……。
その4:ボタンダウン
襟の開き具合はレギュラーカラーと同じですが、襟の先端部分にボタンがついたカラースタイルを「ボタンダウン」といいます。
イギリスのポロ競技で着られた形がモデルのため、スポーティな要素が強いのが特徴的です。そのため、カジュアルなシーンでノーネクタイで着用しても、さまになります。
ただ、フォーマルなシーンには あまり向いていません。ファッション性が高い分、TPOで使い分けることが必要です。
爽やかなストライプのボタンダウンシャツを身にまとうのは「ラ・ラ・ランド」 主演俳優ライアン・ゴズリング。
シンプルでスポーティな装いは女性ウケもバツグン。この夏はシンプルな着こなしで勝負してみませんか?
ダウンタウンはラフスタイルにうってつけのカラースタイルです。
干場編集長はホワイトのハーフパンツに合わせることで、爽やかさと気品の高さを両立させています。
その5:ラウンドカラー
襟先が丸くカットされたカラースタイルです。種類によってユニークな名称がついているのが特徴的で、襟先が長いものは形がウサギやイヌの耳に似ていることからラビットカラーやドッグイヤーズカラーとも呼ばれます。
可愛らしい愛称がついていることもあり、物腰の柔らかい印象を与えます。元々は英国のカラースタイルで、フォーマル度は中間くらいです。
丸みのあるスタイルはエレガントな印象もあり、パーティなどのドレスコードにも最適です。その一方で、カジュアルの要素が強いため、ビジネスシーンにはあまり向いていません。
ノットは小さめの方がおさまりが良く、特にナロータイであればスッキリした仕上がりに。
ラウンドカラースタイルで真似したいのは、ベッカムの着こなし。
隣の男性に比べてカジュアルな印象を強く感じませんか? 小さめのノットで合わせており、ラウンドカラーを完璧に着こなしています。それにしてもベッカムに弱点はないのでしょうか……?
その6:ウィングカラー
鳥の翼のように、襟が折り返され開いている形をしていることから「ウィングカラー」と呼ばれています。
フォーマルな場において最も着用されるウィングカラーは、イギリスのアスコット競馬場で貴族たちが正装として用いたことが流行のきっかけであり、今もその名残でアスコットタイやボウタイと合わせて着ることが主流となっています。
干場編集長が着こなすウィングカラースタイルはこちら。
ウィングカラーのシャツとジャケットのカラーのバランスなど、ディテールにこだわってこそ王道は王道として輝けることがわかりますね。
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ラストはサッカー界の貴公子、もといスーツ界の貴公子ベッカムです。
ウィングカラーにアスコットタイ。さらに品格漂うハットは、まさに英国紳士の名を欲しいままにしていますね。シーンに完璧に合わせたベッカムの着こなし。憧れずにはいられません。
今回は6つ紹介いたしましたが、襟の種類はまだまだたくさんあります。代表的なこの6つから着こなし方を知ることで、着こなしの幅が存分に広がることでしょう。マナーをわきまえて襟付きシャツのコーディネートを楽しんでくださいね。
Text:FORZA STYLE
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