意外と知らない基本の「キ」を詳しく解説
突然ですがみなさん、次の文章の意味、わかりますか?
「このスーツはラペルが少し太めで、ゴージラインが低めです。そのため落ち着きのある大人の男性という印象を与えることができます。ラペルのデザインはノッチドラペルとなっています」
実はこれ、全部スーツの「襟」にまつわる説明なんです。今から、スーツの襟の基礎用語を初級編・中級編・上級編に分けて解説していきます。FORZA編集長・干場義雅の着こなし術も一緒にご紹介するのでお見逃しなく!
初級編:「カラー」ってどの部分?
まずは初級編。スーツの「カラー」とはいったいどこを指すでしょう? 襟全部がカラーではありませんよ! 「色」と答えた人は……これからの伸びしろに期待です。
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カラーとは上襟、首に当たる部分の襟を指す言葉。ここがぴったり首に沿っていないのは、サイズが合っていない証拠です。スーツに「着られている」ような野暮ったい印象になってしまうので、首からカラーが浮かないサイズを選びましょう!
続いて「ラペル」は何かわかりますか? カラーが上襟ということは……。
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そう、ラペルは下襟のこと。胸に当たりボタンの上まで伸びている部分ですね。カラーに比べて幅や形がさまざまで、スーツの印象を決める重要な要素のひとつ。
ラペル幅が細い(ナロー)とモダンで若々しい印象に、太い(ワイド)と貫禄のある大人っぽいイメージになります。ただし、あまりに細すぎるラペルはモードっぽく見えてしまいますので、ビジネスシーンでは避けましょう。
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ほどよいナローラペルを選ぶことで、近年の流行である細身のスーツのスタイリッシュさを活かすことができ、干場編集長のようなすらりとしたスタイルに!
中級編:「ゴージライン」って何の線?
初級編は余裕でしたか? そんな方は続いて中級編にチャレンジ。「ゴージライン」は襟のどこを指しているでしょうか?
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ゴージラインとは、カラーとラペルを縫い合わせた部分のこと。「ゴージ」というのがカラーとラペルの境目、つながっている部分を指します。
ゴージ位置が高いとシャープでモダンな印象に、低いとクラシカルで落ち着いた雰囲気になります。流行によって位置も角度も変わります。
最近はゴージ位置が高めのものが多く、80年代のスーツなどは低めのものが多いので、会社の上司と部下のゴージラインを見比べるのもおもしろいかも!?
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干場編集長は、ゴージ位置が高すぎず低すぎないものをよくチョイスしています。流行も踏まえつつ落ち着きもある着こなしになるので、ぜひ参考にしてくださいね!
上級編:ラペルの種類、いくつわかる?
さて、最後は上級編。ラペルにもいろんな形状がありますが、あなたがいつも着ているスーツのラペルは「ノッチドラペル」か、それとも「ピークドラペル」、どちらでしょうか?
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最もオーソドックスな、襟の先端がゴージラインと同じような角度で下がる形を「ノッチドラペル」と呼びます。シングルスーツの定番なのでシーンを選ばず着られるタイプ。大事な取引先や初対面の相手と会う日は、無難できちんとした印象を与えられるノッチドラペルを選ぶとよいでしょう。
「セミノッチドラペル」は、ノッチドラペルと似ていますが、ゴージラインから襟の先端に向かうラインがやや上向きの角度になっているので、周りよりちょっとだけ個性をプラスしたい人にはオススメ。
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襟の先端が上を向いて尖っている形状が「ピークドラペル」です。剣(ピーク)のように見える、ということからそう呼ばれており、一般的にはダブルスーツで用いられるデザイン。フォーマル度が高いとされ、シングルスーツではタキシードでよく使われますが、最近はビジネス用のシングルスーツに使われることもあります。
華やかでインパクトがあるので、普段と気分を変えたい時やデートの日などにはオススメ。少し華やかすぎると感じる人は「セミピークドラペル」と呼ばれる、ピークドラペルと比べて襟の先端を少し水平にしたデザインをチョイスしてみてください!
最終問題:「ラペルホール」の意味……もうわかりますよね?
上級編まで学んだあなたなら、「ラペルホール」と聞けばもうどこを指しているかわかるのではないでしょうか? 下襟がラペル、ということは……。
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そう、ラペルホールとは左側のラペルにある小さめのボタンホールのこと。「フラワーホール」とも呼ばれますが、その名の通り本来は花を挿すところなんです。結婚式で新郎がブートニエールを飾ることもありますね。
ビジネスシーンでは社章をつけることが多いですが、今は個性的なデザインのラペルピンもたくさんあるので、その日の気分で遊び心をプラスするのもいいかもしれません。
これでスーツの「襟」の基礎知識は完璧! ただスーツを着るだけではなく、きちんと知っておくとより大人の着こなしができるはずですよ。
Text:FORZA STYLE