日本の服飾業界の重鎮として活躍している、ファッションアドバイザー・赤峰幸生氏。
御年76歳でInstagramのフォロワーは３万3000人超、服飾のみならず、アートや歴史の分野にまで及ぶ博覧強記で、老若男女を問わずたくさんの方々に支持されています。
そんな赤峰氏が語る、誰も教えてくれなかった「紳士服の教科書」。第６回目は、グレースーツの着こなし方についてです。
今回はなんと！ 赤峰氏が、下着の状態からスタイリングしていきます！
最初にチョイスしたのはオレンジのホーズ（靴下）。このオレンジに対し、どうやってグレーを仲良く合わせていくのか。詳しく解説していきます。
今回のスタイリングの要となるグレースーツはこちらです。赤峰氏といえばこのグレーのスーツ。なんと29年間もお世話になっているそう。このスーツを着ながらスタイリングを作っていきます。
今回着用するシャツはレギュラーカラーのもの。1920年から30年代のクラシックなシャツの襟を、赤峰氏が復刻させたオリジナルシャツです。襟先が長めの襟型で、首元に沿うよう、芯地が柔らかいのがこだわりのポイント。
シャツの袖丈は、まっすぐ立った時に手の甲の関節までスリーブが来るのが本来のシャツの長さです。最後までご覧いただくと分かりますが、このくらい長めのほうが、動いたときに上着からチラリとシャツの白が見えて綺麗です。
こちらにオレンジのネクタイを合わせて行きます。ポイントは、最初にご紹介したオレンジのホーズ（靴下）と同じ色合いのアクセントが入っているものを選ぶことです。
グレーのスーツを着用し、茶色のベルトを合わせます。これでネクタイ・ベルト・ホーズ（靴下）の３つの色合いがかなり近くなります。
次に、白のポケットチーフを入れます。ポイントは、カチッとなりすぎないように少し斜めにしてトライアングルになるようにちょっと入れること。こうすることで、無造作に見せてさりげないアクセントになります。
次に、オレンジのスカーフを巻いていきます。今回は一番クラシックな巻き方です。ここにコットンのベージュのコートを羽織ります。
スカーフを結んだら、防寒のためにも、できるだけ顎の上までスカーフを立てていきます。こうすることで、横からみたときのシルエットが綺麗になります。
最後に決めるのは靴。ネクタイの茶色のモチーフに合わせて、チョコレート色のレースアップシューズを合わせます。今回履いているのは、ジョージ・クレバリーという靴です。これも25年ほどお世話になっていて、何回ソールを換えたかわからないのだとか。
以上が今回のスタイリングです。いかがでしたでしょうか。グレーのスーツにオレンジがうまく馴染んだスタイリングでした。オレンジ以外の色を合わせたいときにも、今回の小物選びや靴選びが参考になると思います。グレースーツのスタイリング、ぜひ楽しんで挑戦してみてください。
Text：FORZA STYLE
プロフィール
赤峰幸生
イタリア語で「出会い」を意味する、インコントロ代表。大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年から『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。（財）ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界から注目を浴びる日本人のひとり。
