女は「男の弱い部分」も好きなのです
★★★
ようこそ お越しくださいました
ここは繁華街にひっそりと佇む
『純喫茶ぺぺ』
昭和レトロでどこか懐かしさを感じる
恋に迷える大人達のユートピア
ここは純喫茶の雰囲気を大切にしており
一風変わった店主が
お客様をイメージした珈琲カップの代わりに
お悩みにぴったりの「恋のナンバー」を
硬派にお出ししております
刺さりすぎて気絶なさらないよう
お気をつけくださいませ
どうぞ 最後までおくつろぎの上
ゆるりとおたのしみください
純喫茶 ぺぺ
★★★
本日のお客様からのお悩みは、
「男は強くなければならない」という固定概念に苦しんでいます。
会社では多くの部下を抱えているため、会社での責任は重く、自分には厳しく生きてきました。だけど、コロナ禍で気が滅入ることも多く、ちょっと疲れてしまいました。
自分は仕事人間で、異性からあまりモテることなく、今は恋人もいません。弱音を吐くのは苦手ですが、ちょっと今夜はぺぺさんに元気をいただきに参りました。
──渡辺ワンマンショーさん 経営者(43)
渡辺ワンマンショー様、師走でお忙しい中ご来店ありがとうございます。
今年最後のお客様です。 2020年は未曾有のコロナ禍で、全世界が世紀末の様なムードでスタートしましたね。もう本当に色んなことが嫌になっちゃった方も多いのではないでしょうか。その中で、貴方は前を向き続け、責任を全うされたのです。本当にお疲れ様でした。
【デキる男の唯一の弱点】
今回の様なお悩みを持ってきてくださる方って、普段から基本頑張っている人なんですよね(気絶)。真面目でデキてしまう人だから、他人に任せるより自分で全部抱えてしまう傾向があると思います。
そんな貴方に、唯一の弱点があるとすると、「弱音を吐けない」ということだと思います。「男は強くなければならない」という固定概念にも通ずるかもしれませんが、たまには誰かに「た~す〜け〜て〜(気絶)」とSOSを投げかけることも大切なのです。
【ダンディは男のやせ我慢】
誰かに弱音を吐くなんて、俺のプライドが許さない!と一蹴されるかもしれませんが、実は、男性が描く「かっこよさ」と、女性が思う「かっこよさ」には多少ズレがあるのです。
「ダンディは男のやせ我慢である」という言葉を耳にしたことがありますが、男性が考える「かっこよさの美学」というのは、究極はやせ我慢だと思うのです。
辛くても平気なフリをし、泣きたい時も歯を食いしばる。不安があっても平然を装って、女の前では”カッコいい男”を演じているのです。
【女は男の弱い部分もお好き】
そんな“カッコいい男像”をブチ壊してしまうかもしれませんが、女は「男の弱い部分」もお好きなのです。意外かもしれませんが、普段頑張っている人が、ふと弱音を吐く姿というのはとても色っぽい。
仕事を語る真剣な眼差しから、時折り緩む表情。それを見て、足りないところを私が埋めてあげられるかも、と女は思うのです(気絶)。
全て自己完結してしまう人というのは、謂わば「隙」が無い男。女性からすると、私の入り込む隙などございません!というちょっぴり寂しい状態なのです。
【人は強くなければならない】
「男は強くなければならない」という固定概念に苦しまれているということですが、このご時世、男だから女だからという訳ではなく、人生100年時代、最終的には生命体として強くないと人類生き残れません。
映画『鬼滅の刃』や韓流ドラマ『愛の不時着』が大ヒットした背景にも、世間では「大切な者を守れる強い人」という存在が、必然的に現代社会に求められている様に思われました。
また、裏を返せば、自分より大切な存在に出逢えていない人が多いのかなとも思いますので、是非、2021年は愛する人を見つけて、より強く、今を生きてください。
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【お答え】
貴方は頑張っております たまには弱音も吐いて
自分より大切な存在に出逢い 強く生きてください
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2020年ラストのナンバー、最後は明るく終わりましょう。
昭和男のやせ我慢ソングといえば、沢田研二さんの「勝手にしやがれ」。この曲中では、同棲中の男女が大喧嘩をして、女が家出。素直に謝れない男の意地で、最大級のカッコツケをみせつけております。
そして、車に乗って出て行った女のその後を、女性視点で書いたのが山口百恵さんの「プレイバックPart2」だといわれております。作り手達のお洒落な試みですね。
“
バーボンのボトルを抱いて
夜ふけの窓に立つ
お前がふらふら行くのが見える
さよならというのもなぜか
しらけた感じだし
あばよとサラリと送ってみるか
別にふざけて困らせたわけじゃない
愛というのに照れてただけだよ
夜というのに派手なレコードかけて
朝までふざけようワンマンショーで”
「勝手にしやがれ」
歌:沢田研二. 作詞:阿久悠. 作曲:大野克夫
参照:『J-Lyric.net』
お客様、選曲はお口に合いましたでしょうか?
またのご来店、心よりお待ち申し上げております。
純喫茶 ぺぺ
Photo:Yuta Takamatsu, Shuhei Kato
Text:RIKAPEPE(ペペ)
Illustration:Eri Sakai