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【フェラーリの新種「ローマ」試乗レポ】グラマラスなボディラインと近未来的なインテリアが魅力的!

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「速ければいいってもんじゃない!」を 提案するフェラーリのセンスの良さに感服です

コロナ禍ですがクルマの販売が好調のようです。密を避ける手段として見直されているのでしょう。でも、おもしろいは個性的なクルマが伸びていること。「いつか乗りたい!」の「いつか」がコロナによって早まったようです。わからなくもないですよね。

スーパーカーもそうで、各社順調。海外旅行の分がそちらにまわったんですかね。富裕層さんたちはソツがない。

そんな中、注目のモデルのステアリングを握りました。フェラーリの新種、ローマです。ご覧ください。かっこいいですよね。しかも、これまでのフェラーリとは様相が違う。このところ直線的なデザインが印象的なモデル群ですが、こいつはふくよかなボディラインとなります。どこかレトロチックというか。

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フェラーリはあえてそんなクルマをつくりました。テーマにしたのは1960年代のイタリア上流階級の世界観。それを巨匠フェデリコフェリーニ監督の映画“甘い生活”から取り入れたそうです。なので、このクルマのコンセプトは“La Nuova dolce vita”。つまり、“新しい甘い生活”となります。

彼らがそんな方向に舵をとったのにはこんな背景もあると言われます。それは最近のモデルがあまりにも機能重視でデザインされていて、かつてのような色気がないということ。最近はエアロダイナミクスの解析能力がグッと上がったので、その結果と言えるでしょう。空気抵抗を減らし、適度なダウンフォースを稼ぐためのデザインが優先されてきました。ですが、フェラーリファンの一部はそれだけを求めてはいないようです。少し前の時代のような色気や妖艶な雰囲気を期待している方も少なくないかと。

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そんな新種と言いたくなるローマですが、実車を目の前にすると写真以上に存在感を強く感じます。くびれと出っ張りがうまい具合に調和されているというか、セクシーです。個人的にはフロントマスクもいいですが、リアの造形が好きです。リアフェンダーの膨らみは1960年代のクラシックカーみたい。今の時代ありそうでないシルエットです。

それに対し、インテリアが近未来的なのも美点。デジタルを使った表示と操作系を増やし、一気に世代を超えました。印象的なステアリング上の赤いスターターボタンは消え、ステアリング下部を軽くタッチするだけです。それでいてシフトレバーの周りは鏡面仕上げのアルミを使うなど少しレトロ感を持たせます。この辺のさじ加減は絶妙ですね。

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では、走らせるとどうか。620馬力を発揮するV8ツインターボはやはりタダモノではありません。不意なアクセルワークではグイッとトルクが発生して瞬間的な加速を行います。デフォルトで十分速さを実感できますね。それでいて乗り心地が良いのも感動。先日12気筒エンジンを積んだ812スーパーファストで長距離テストドライブしましたが、それよりも明らかに快適でした。ステアリングもそれほどクイックでなく、落ち着いたロングツーリングができそうです。

それじゃローマは大人しいクルマなのかと言えばそうではありません。マネッティーノと呼ばれるドライブモードを“レース”に切り替えると、キャラは豹変。誰もが思い描くフェラーリとなります。アクセレーション、サウンド、サスペンションのセッティング、クイックレスポンスのステアリングなどすべてがスーパーカーに一変します。思わずニヤけてしまう瞬間ですね。「コレコレ!」って感じ。

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その時の身のこなしはまんまレーシングカーで、ドライバーを中心としてコーナーを旋回する感覚が伝わってきます。ローマはFRパッケージングですが、エンジンをフロントミッドに置くなど重心がセンターに寄っているのがわかります。

ボディの軽さもそう。ちょっとしたアクセルワークでスッと反応するのはこの手のクルマの醍醐味。ある程度腕があれば操るのは楽しくてたまらないはずです。雰囲気重視と言われそうなキャラクターですが、フェラーリはそれをいい意味で裏切っていますね。ここは彼らの意地かも。

なんて感じのローマは、フェラーリに新しいお客さんを招くことになるでしょう。デザインの視点からクルマ選びをしている方々もそうですし、アンチフェラーリまで取り入れそうです。いやはやなかなかのハイセンス。走り一辺倒でないところに感服です。



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