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LIFESTYLE 田舎で楽しむ英国的衣食住

英国ティータイムの定番「レモンドリズルケーキ」を、地元愛媛のレモンで作ったら──【田舎で楽しむ英国的衣食住】vol.3

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レモンドリズルケーキ、初めてその名を聞いた時、妙に惹かれるものを感じたのを覚えています。ドリズル(Drizzle)とは英語で霧雨や小雨を意味します。霧雨がケーキとどういう関係があるのか。その疑問を払拭する機会が訪れたのは、ロンドン郊外のティールームでのこと。

運ばれてきたのは一見何の変哲もないパウンドケーキにアイシングが施されたものですが、ひとたび口に運ぶと、レモンの酸味と砂糖の甘味が強烈な印象を与えます。しかもパウンドケーキとは違う食感です。これらは、焼き上がった際にレモンと砂糖で作ったシロップをケーキに染み込ませることで生まれる特徴です。

英国ではよく見かけるスタンダードなケーキですが、それゆえにバリエーションも豊富です。シロップを染み込ませただけのものから、さらに粉砂糖のアイシングで飾り付けしたものまで様々ありますが、作り方は至って簡単。今回は伝統的な作り方に、地元愛媛の市場で見つけたグリーンレモン(青いうちに収穫したレモン)を加えたレシピをご紹介します。(※分量は、記事の最後に掲載)

◆シンプルなレシピを、田舎ならではの素材でアレンジ◆

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レモンドリズルケーキはパウンドケーキ用の材料とレモンさえあれば作れてしまう本当にシンプルなケーキです。酸味と甘味の加減やアイシングで個性を出していきます。私のレシピの場合、一般的にはドリズルシロップをかけて終わりのところを、さらに粉砂糖のアイシングを施すダブルアインシングが特徴です。

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貴重な地物(愛媛県産)のグリーンレモンは、よく見かける黄色いレモンにはないアロマティックとも呼べる素晴らしい香りが詰まっています。思い立って、生地に練り込み、仕上げのアイシングにも使ってみました。

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①薄力粉とベーキングパウダーをふるいにかけます。

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②グリーンレモンの皮をおろしておきます。

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③砂糖とバターを、クリーム状になるまでミキサーを使って中速で混ぜ合わせます。あらかじめバターを常温に戻しておくことがポイントです。

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④クリーム状になったら、卵を1個入れては低速で撹拌を繰り返します。卵1個につき薄力粉を(用量から)大さじ1ずつ加えると、凝固しにくくなるのでおすすめです。

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⑤薄力粉とレモンの皮を入れて、中速でさらに混ぜます。

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⑥バターを塗った型に生地を流し込み、10cmくらいの高さから型を落として空気を抜く。そして170度に予熱しておいたオーブンで40〜45分焼きます。

⑦レモン果汁と砂糖をジャーなどに入れ混ぜ合わせて、ドリズルシロップを作ります。ケーキが焼きあがったら、熱いうちに串で表面に多数穴を開け、ドリズルシロップを穴に染み込ませるように注ぎます。これでケーキが冷めるのを待ちます。

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⑧ケーキが完全に冷めたら型から抜いて、粉砂糖とレモン果汁、グリーンレモンの皮を混ぜて作ったアイシングをかける。アイシングが固まったら完成です! もちろん追加のアイシングなしでも大丈夫です。

◆盛り付けに使うのは19世紀末のスポード◆

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スポード(Spode)といえば、数ある英国製陶器の中でもとても知名度の高いメーカー。代名詞のBlue Italian (ブルーイタリアン)は1816年の登場以来、200年以上にわたって人々を魅了しています。

こちらのお皿は、イングランド中西部に位置するStoke-on-trent (ストーク=オン=トレント)にあるスポードのファクトリーを訪れた際に、アウトレット品として購入した19世紀後半のもの。現行にはないデザインと緑の発色が美しく、今回のケーキにグリーンレモンを使ったことからチョイスしました。

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グリーンレモンを使ったことで、より香り高く、爽やかな仕上がりに。

◆英国人の心に残るレモンドリズルの味◆

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レモンドリズルケーキを食べると子供の頃を思い出したり、懐かしい記憶が蘇ったりする英国人は少なくないようです。オックスフォード郊外の知人を訪ねる際に手土産で持っていったレモンドリズルケーキを見て、母親がよく作ってくれたと懐かしそうに話してくれたことがあります。これは英国菓子全般に言えることですが、どこか懐かしさを感じられるのは、気をてらわず昔ながらのレシピを守っていることによると思います。ぜひ読者の皆さんにも挑戦していただきたいケーキです。

◆陶器好きなら、1度はストーク=オン=トレントへ◆

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ストーク=オン=トレントは、陶器好きには堪らない“陶器の街”。前述の「スポード」、言わずと知れた「ウェッジウッド」、創業以来160年間伝統技法を貫いている「バーレイ」など、世界的に評価の高いメーカーがファクトリーやアウトレットを置いています。ロンドンからは電車で約1時間半の距離です。工場見学や絵付け体験、買い物などで多くの観光客が訪れます。

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歴史を感じるストーク=オン=トレント駅。

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「バーレイ」のファクトリーカフェで一休み。自社の製品を使用したレベルの高いカフェが併設されているメーカーもあります。

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スポードのファクトリーにて

《材料》22cmのパウンドケーキ型使用 

ケーキ
・薄力粉 180g
・砂糖 180g
・バター 180g
・卵 3個
・ベーキングパウダー 小さじ2
・レモンの皮 1個分

ドリズルシロップ
・砂糖 100g
・レモン果汁 1個半分

アイシング
・アイシングシュガー 80g
・レモン果汁 半個分
・レモンの皮 1個分

photos&text: Kohki Watanabe

 

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◆渡邉耕希(わたなべ・こうき)◆
愛媛県出身の1992年生まれ。ロンドンの大学でクラシック音楽を学ぶ。現地でヴィンテージ・アイテムの魅力に取りつかれ、服や靴を中心にアイテムの歴史的背景まで探求するようになる。無類のスイーツ好きが高じて開設したYouTubeチャンネル「The Vintage Salon」にて料理や英国菓子作りを通して日本で実践できる英国的生活を発信している。



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