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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION 男のおしゃれ不要論

仕事用のベルトの色、素材、サイズ選びと、どの穴に入れるのが正解か

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働く男を応援する装うことの理論と応用を網羅! 働く男におしゃれは必要ない、と著者は考えます。しかし人は裸では生きていけません。だから、服を着るのです。もちろん、やりすぎてはいけません。つまり、他者におしゃれだと感じられてはいけないということです。趣味としてのファッションと、日常着る服は異なるのです。

ビジネスウエアを着るのに際し、黒または茶の靴に合わせて、それぞれ同じ色のベルトを選ぶ、というのが基本です。

黒い靴には黒いベルトを、茶の靴には茶のベルトを。素材感も合わせるのが基本です。カーフにはカーフを、スエードにはスエードを、という具合に。わざわざ色を変える必要はありません。

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パルマのベルト専業の一本の白眉は、素材、そしてステッチの丁寧さに見て取れる。ふっくらとしたレザーの質感は見栄えと耐久性のよさを証明。1万6000円/アンダーソンズ(フローエンス トーキョー)

が、ときどき見かけてしまいます。薄い茶色のつま先が細く、尖り気味で反り返っている靴に、黒い細めの革ベルトをしている方を。

彼らのジャケットのすそ丈は短く、そこから尻が2/3ほど出た細身のパンツ、パンパンに膨れたナイロンバッグというのもその方々の定番です。

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英国の名門から、フランス産の上質なカーフをアッパーに、無染色の繊細なナチュラルレザー(カーフ)を裏面に使用した一本を。バックルとループと本体の連結は、古くから手綱で用いられるディティール、挟み込み(チェイプ)仕様。1万7000円/ホワイトハウスコックス(グリフィンインターナショナル)

好きで着ているのだからとやかく言うつもりはありません。仕事で成果を出しているのだとしたらなおさらで、我が家にその方が営業で来られたとしても断ればいいだけの話。でもしかし、でも……なにもわざわざ間違ったことをしなくてもいいのではないか、と思ってしまいます。

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こちらもパルマのベルト専業の一本。カーフナッパを使い、さらに柔軟性のある芯革・裏革により、しなやかに腰にフィットする。ベルト職人が丁寧に作り上げ均一に整った縫い目のピッチ、美しい形状のバックルも見どころ。8500円/サドラーズ(エクシオ)

正直に告白すると、そういう方を街で見かけるたびに不快な気分になってしまいます。いい年をしておしゃれのことばかり考えている男と同じくらい、装うことの意味を知らない男はみずから他者とのコミュニケーションを拒絶しているように思います。

過ぎたるは猶及ばざるが如し、と同時に、及ばざるは猶過ぎたるが如し。やり過ぎも、やらな過ぎもどちらもいただけない。

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1991年にボローニャで創業したダミーコは、モード色の強いベルト作りで注目を集めたが、シンプルなドレスベルトも秀逸。ダークブラウンの発色は見事で、この手の色の靴に合わせるベルトがない、とお嘆きだった方々には朗報の一本だろう。1万4000円/ダミーコ(バインド ピーアール)

ベルトと靴の色を合わせる。これはルールではありません。マナーに近い感覚でしょうか。

ビジネスウエアの大部分はウールやコットンなどの織り生地です。スーツ(ジャケット、パンツ)、シャツ、タイ、ソックスがそれにあたります。つまり着ているもののほとんどが織り生地です。

それに対し、靴とベルトはレザー製。全体から見るとほんの少しのパーツです。たった2箇所。そこに色や素材の違うものをわざわざ組み合わせるということに逆に何か意味があるのではないかと考えさせられるのです。

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たとえば、ビジネスウエアでグレイのウールジャケットに、ブラウンのウールのパンツを合わせるでしょうか? 合わせたとしたらその着こなしにはどんな意味が込められているのでしょうか?

ファッションは自由です。自由だから楽しく、ホビーになり、アートにまで昇華すると私は信じています。

が、自由をはき違え、何でもOK! となるのは絶対に違うと思うのです。たかがベルト、されどベルト。わざわざ難しい着こなしをする必要はありません。だって、働く男にはおしゃれは不要ですから。

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まずはバックルに注目していただきたい。美しく磨かれたそれは、優美なカーブを描いている。もちろんレザーの質感、そして縫製も素晴らしく、先端のエッジは職人技のたまものといえる。1万6000円/アンドレア グレコ(グジ 東京店)

ベルトの穴、何番目にピンを通すのが正解?
ベルト選びの話に戻します。ウエストに合わせるのは当然ですが、よく見るとベルトの穴は奇数になっているはずです。

その真ん中にピンを通すとぴったり合うようなベルトが正解です。バックルに通したベルトの先端が腰ポケットにまで達するのも、また最初のベルトループにぎりぎりかかるのも醜い。

真ん中の穴にピンを通して、ベルトの先端が最初のループと次のループの中間くらいにくるものを選びましょう。

もちろん、バックルの形状はシンプルなものを。シルバーかゴールドのカラーがほとんどですが、ここは時計の色と合わせることを考慮すれば問題なし。

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ベルトの穴は5つ開いているが、ピンを通すのは中央が正解。

幅は3㎝がベスト。これ以上太いとワークパンツやデニムに合わせるようなハードでカジュアルな印象になってしまいます。2㎝以下では繊細すぎて女性っぽく見えてしまいます。

またベルトはすべて直線と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、弓のようにやや湾曲しているものの方がパンツと腰周りにフィットし、ベルトループに擦れてベルトの色落ちや型崩れ、ベルトループの破損につながりにくいのです。

ベルト選びは難しくありません。そこに時間を費やすのは無駄です。ご自身の靴に合ったものが2本あればいい。ベルトで悩む時間があったら、その分を仕事や趣味、勉強、家族、恋人、友人のために使いましょう。

Photo: Ryouichi Onda
Styling:Takahiro Takashio
Text:Takashi Ogiyama

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フローエンス トーキョー http://floens.jp
グリフィンインターナショナル ☎️03-5754-3556
エクシオ ☎️03-6457-6766
バインド ピーアール ☎️03-6416-0441
グジ 東京店 ☎️03-6721-0027



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