ジャケットの変化がもたらした結果
ビジネスマンにとって、バッグはなくてはならないものです。
PC、スマホにタブレット、企画書を入れたファイルなどなど、仕事の命ともいえるようなものをたくさん収納し、またそれを持ち運ぶのにバッグは絶対に欠かせません。ゆえに、ファッション性よりも実用性、機能性が高く求められます。
バッグには、ジャケットやタイ、シューズ以上の信頼性を求めているはず。収納力、仕分け力に加えて、軽く、丈夫で、かつビジネスシーンで悪目立ちしないものを求めているはずです。
結果、ナイロン、黒、多層構造、手持ちと肩がけに加えリュックにもなる3Way仕様が選ばれます。私が異論をはさむ余地もなく、みなさんがすでにお持ちのそのバッグです。
そんなナイロン、3Wayの代名詞が「トゥミ」のバッグです。

そこには理想のビジネスバッグがあるはずです。
ただし、一言加えさせてもらえれば、ナイロンはレザーのように、手入れをして長く使うことができません。ぼろくなったナイロンほどみじめな素材はありません。ぼろくなったら買い換える。その時期を厳しく見極める必要があると思います。
そのナイロンバッグ、街で見かけるものは黒がほとんどです。が、ごぞんじのとおり、ビジネスウエア、とくにジャケットとパンツは、グレイとネイビーが基本なので、黒もいいのですが、次に購入される際にはネイビーやグレーに手を伸ばしてみることもおすすめします。
こちらの「フェリージ」は、ネイビーのスーツやジャケット、ブラウンの靴とベルトに合わせると調和がはかれます。働く男に過剰なおしゃれは不要ですが、色合いやデザイン性を考慮することは必要です。実用に即したデザイン、清潔感を念頭におけば簡単です。

ジャケットの変化がリュックありをもたらした
ところで、昔気質のビジネスマンや頭の固いファッション業界人は、ナイロンバッグについていぶかしがる向きもいまだ多いようです。それでも、私はナイロンバッグにYesを出します。その理由は、ジャケットの進化にあります。
リュックとジャケットの関係。ここが私が一番伝えたかったことです。
かつてジャケットには肩パッドをはじめ、たくさんの副資材が使われていました。もちろん、いまでもそういうジャケットはありますが、世のほとんどのジャケットは快適さの追求により、軽量化へまい進しています。
それにより副資材の消滅または簡略が、ここ数年行われてきています。
貴方のジャケットの肩を軽く握ってみてください。
昔買ったジャケットと最近買ったジャケットではその厚みが違うはずです。縫製技術や生地の進化、アイロン処理によって、肩パッドを使わずとも立体感があることを最近のジャケットに触れると理解できるはずです。
かつてのジャケットを着て肩掛けでバッグを持つと肩パッドがへこんだり、ずれたりする心配が多かったのです。それを知らず、外出先から戻ると肩にポコッとへこみがあり、さらにその部分だけ生地がテカっていたり、縫製がほつれていたり……ビジネスは外見よりも中身が大事ですが、このような小さな気遣いができない人に大事な仕事は任せられない、と思う上司や顧客がいるかもしれません。
現在のジャケットは進化しているので、肩に掛けてもポコやテカは少ないでしょう。上司や顧客にそれを理解いただけるよう、私もファッション業界の末端にいる身として精進いたします。

さて、ジャケットが軽量化されたように、ナイロンバッグもより軽やかなものを選んでみてはいかがでしょうか? こちらの「エンゲージメント」は人間工学に基づいて設計されているので、持ちやすく、使いやすいのが魅力です。
お馴染みの「ポーター」にも、ビジネスバッグに求められる機能性を高めながらも軽量に仕上げたライトウエイトビジネスシリーズ「ポーター EVO」があります。

とにかく便利なナイロンの多層バッグですが、その大きさから満員電車で気づかないうちに人へぶつけてしまい、いらぬトラブルを招く恐れもあります。また、マナーに配慮して、前にかけるのは素晴らしいことですが、その状態でスマホに夢中になり、結果、左右前後の人にぶつかり、しかも本人自覚なし……というシーンもよく見かけます。

そこで提案したいのが、「ブリーフィング」のMOLLE BAG MW WPのように、多層バッグをちょっと小振りのものに変えてみるというのはいかがでしょうか。さまざまなものをデータ化してクラウドなどに収納すれば、持ち運ぶ物が当然減るので、バッグも小振りで済みます。だったらいっそクラッチで……というほど、荷物は少なくないし、信頼感という面でも不向きですね。
コロナ禍を逆手にとって、新たなビジネススタイルをバッグでも構築するチャンスかもしれません。いずれにせよ、みなさまの通勤のストレスが軽減されることを本当に願っています。
Photo: Ryouichi Onda
Styling:Takahiro Takashio
Text:Takashi Ogiyama
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