青山学院大学卒業後、商社に勤める。その後、雑誌編集の道を目指し、20代はCar Ex、カーマガジンなど自動車雑誌に在籍。30代はセンス編集長、レオン副編集長をはじめ数々の男性ファッション誌のエディターを歴任。ファッション、クルマ、時計、食、旅、そして家族が大好きな1972年東京生まれ。
ジャケットの変化がもたらした結果
ビジネスマンにとって、バッグはなくてはならないものです。
PC、スマホにタブレット、企画書を入れたファイルなどなど、仕事の命ともいえるようなものをたくさん収納し、またそれを持ち運ぶのにバッグは絶対に欠かせません。ゆえに、ファッション性よりも実用性、機能性が高く求められます。
バッグには、ジャケットやタイ、シューズ以上の信頼性を求めているはず。収納力、仕分け力に加えて、軽く、丈夫で、かつビジネスシーンで悪目立ちしないものを求めているはずです。
結果、ナイロン、黒、多層構造、手持ちと肩がけに加えリュックにもなる3Way仕様が選ばれます。私が異論をはさむ余地もなく、みなさんがすでにお持ちのそのバッグです。
そんなナイロン、3Wayの代名詞が「トゥミ」のバッグです。

そこには理想のビジネスバッグがあるはずです。
ただし、一言加えさせてもらえれば、ナイロンはレザーのように、手入れをして長く使うことができません。ぼろくなったナイロンほどみじめな素材はありません。ぼろくなったら買い換える。その時期を厳しく見極める必要があると思います。
そのナイロンバッグ、街で見かけるものは黒がほとんどです。が、ごぞんじのとおり、ビジネスウエア、とくにジャケットとパンツは、グレイとネイビーが基本なので、黒もいいのですが、次に購入される際にはネイビーやグレーに手を伸ばしてみることもおすすめします。
こちらの「フェリージ」は、ネイビーのスーツやジャケット、ブラウンの靴とベルトに合わせると調和がはかれます。働く男に過剰なおしゃれは不要ですが、色合いやデザイン性を考慮することは必要です。実用に即したデザイン、清潔感を念頭におけば簡単です。

ジャケットの変化がリュックありをもたらした
ところで、昔気質のビジネスマンや頭の固いファッション業界人は、ナイロンバッグについていぶかしがる向きもいまだ多いようです。それでも、私はナイロンバッグにYesを出します。その理由は、ジャケットの進化にあります。
リュックとジャケットの関係。ここが私が一番伝えたかったことです。
かつてジャケットには肩パッドをはじめ、たくさんの副資材が使われていました。もちろん、いまでもそういうジャケットはありますが、世のほとんどのジャケットは快適さの追求により、軽量化へまい進しています。
それにより副資材の消滅または簡略が、ここ数年行われてきています。
貴方のジャケットの肩を軽く握ってみてください。
昔買ったジャケットと最近買ったジャケットではその厚みが違うはずです。縫製技術や生地の進化、アイロン処理によって、肩パッドを使わずとも立体感があることを最近のジャケットに触れると理解できるはずです。
かつてのジャケットを着て肩掛けでバッグを持つと肩パッドがへこんだり、ずれたりする心配が多かったのです。それを知らず、外出先から戻ると肩にポコッとへこみがあり、さらにその部分だけ生地がテカっていたり、縫製がほつれていたり……ビジネスは外見よりも中身が大事ですが、このような小さな気遣いができない人に大事な仕事は任せられない、と思う上司や顧客がいるかもしれません。
現在のジャケットは進化しているので、肩に掛けてもポコやテカは少ないでしょう。上司や顧客にそれを理解いただけるよう、私もファッション業界の末端にいる身として精進いたします。

さて、ジャケットが軽量化されたように、ナイロンバッグもより軽やかなものを選んでみてはいかがでしょうか? こちらの「エンゲージメント」は人間工学に基づいて設計されているので、持ちやすく、使いやすいのが魅力です。
お馴染みの「ポーター」にも、ビジネスバッグに求められる機能性を高めながらも軽量に仕上げたライトウエイトビジネスシリーズ「ポーター EVO」があります。

とにかく便利なナイロンの多層バッグですが、その大きさから満員電車で気づかないうちに人へぶつけてしまい、いらぬトラブルを招く恐れもあります。また、マナーに配慮して、前にかけるのは素晴らしいことですが、その状態でスマホに夢中になり、結果、左右前後の人にぶつかり、しかも本人自覚なし……というシーンもよく見かけます。

そこで提案したいのが、「ブリーフィング」のMOLLE BAG MW WPのように、多層バッグをちょっと小振りのものに変えてみるというのはいかがでしょうか。さまざまなものをデータ化してクラウドなどに収納すれば、持ち運ぶ物が当然減るので、バッグも小振りで済みます。だったらいっそクラッチで……というほど、荷物は少なくないし、信頼感という面でも不向きですね。
コロナ禍を逆手にとって、新たなビジネススタイルをバッグでも構築するチャンスかもしれません。いずれにせよ、みなさまの通勤のストレスが軽減されることを本当に願っています。
Photo: Ryouichi Onda
Styling:Takahiro Takashio
Text:Takashi Ogiyama
【お問い合わせ】
トゥミ・カスタマーセンター ☎0120-006-267
フィーゴ ☎03-5772-8348
キヨモト NC事業部 ☎03-5843-9011
吉田 ☎03-3862-1021
ブリーフィング表参道ヒルズ店 ☎03-6459-2448
WHAT's NEW
-
【サンスペルとソフネット】が初コラボ! 両雄の強みを生かした極上の普段着が…
-
SDGsなデニム工場ほど興奮するものはない。ボロボロのリーバイス ビッグE…
-
おススメの気絶
【ホワイトデーのサプライズにいかが?】 ユニセックスで使える1 モンクレー…
-
愛と悲鳴の婚活道場
【婚活道場】おしゃれでフラットな40歳。モテるのに「結婚に興味がない」男の…
-
-
靴のことを教えて、祥子先生!
「革のダイヤモンド"コードバン"って どんな革?」靴のプロ 祥子先生に訊く…
-
医師が教える快眠のコツ
眠るヤツほど長生きする!? 理想の睡眠時間を手に入れる法
-
愛と悲鳴の婚活道場
【婚活道場】テレビ局勤務! 37歳男性の「ハイスペックなのになぜか結婚でき…
-
今日のゴントラ
初演三大失敗オペラと言われるのは?【今日は何の日】 ¶3月6日|
-
【最新のジョンロブと複刻モデルが買える!】 「ジョンロブ」がポップアップイ…
-
エディターヤナカのこじラグ
【エルメスで花粉撃退!】化繊なのに肌触り抜群なジップアップブルゾン
-
【ニューエラ】がゴルフシーンも席巻!? あのB.B.キャップがヘッドカバー…
-
ヴィンテージお宝探し隊
【有楽町・阪急メンズ東京で ヴィンテージのお宝探し】赤峰プロがストレイシー…
-
【世界のセレブ美女】
【ハプニングはもはや伝説⁉】アジアンビューティーのミン・シーに思わず惚れる♡
SPECIAL
view allSELECT 10
-
1 FASHION
【ネクタイ選び基本のき】しなくてもいい時代だからこそ、する意義を考える
タイをしなくてもいい時代になったからこそ、タイにはこれまで以上に意義を感じさせることができるようになっています。 先日...
2020.12.7 update -
2 FASHION
働く男に、おしゃれなワイシャツは必要か?
ジャケットの下に着るシャツは、下着であり第二の皮膚でもある、と言われています。下着を辞書で調べると、肌に直接着る衣服、肌着と...
2020.9.16 update -
3 FASHION
第五回「あなたのベルトは間違っている?」
ビジネスウエアを着るのに際し、黒または茶の靴に合わせて、それぞれ同じ色のベルトを選ぶ、というのが基本です。 黒い靴には...
2020.8.27 update -
4 FASHION
不動の殿堂ニット! ジョンスメドレーが支持されるワケとは?
夏はTシャツやポロシャツだけで事足りますが、それ以外の季節はコートが必要です。とはいえ、Tシャツやポロシャツの上に直接コート...
2021.2.16 update -
5 FASHION
第二回「働くバッグにナイロンリュックはありか?」
ジャケットの変化がもたらした結果 ビジネスマンにとって、バッグはなくてはならないものです。 PC、スマホにタブレット...
2020.6.25 update -
6 FASHION
【ホーズ】紳士への近道は、いついかなる時もスネ毛を見せない!
カジュアルならいざ知らず、ビジネスにおいて、いついかなる時もパンツの裾から肌が露出してはすべてがご破算。画像は英国チャールズ...
2021.1.22 update -
7 FASHION
「ビジネススーツ」で手本にすべきはNHKのあのアナウンサー
スーツの選びや着こなしは、以前に掲載したジャケットとパンツの組み合わせと考えていただければ。紺またはグレーを基本とし、サイズ...
2020.10.12 update -
8 FASHION
オメガからセイコーまで! 絶対ハズさない働く男の腕時計5選
ケータイやスマホの普及により腕時計の必要性を感じなくなっている方も多いかと思います。しかし、腕時計は結婚指輪とともに男に許さ...
2020.11.19 update -
9 BUSINESS
第一回 ジャケット選びの真実 「趣味で楽しむファッションと、仕事のための装いはまったくの別ものだ!」
黒がダメな理由とは? 上下衣が共地のスーツに代わって、ビジネスウエアの主役となっているジャケットとパンツのセパレート・...
2020.6.11 update -
10 FASHION
1896年生まれの名品「ブルックス ブラザーズ」のボタンダウンシャツを選ぶ理由
とある休日、ニットではくつろぎ過ぎで、スーツにタイドアップでは堅苦しい、しかし少々かしこまった場へ行くときには、シャツが便利...
2021.2.26 update
EROSABA

ランキング
-
このクオリティで当時4万円以下! ウールリッチの底力を感じたダウンパ
FASHION -
【フレッシャーズに大推薦】 1万円台で買える革靴! コスパ最強のリー
FASHION -
【ルイ・ヴィトンの新作バッグ】実用的かつシックなミニサイズが40男に
FASHION -
【海老フライ史上最高の舌触り&喉触り&食感! 】大森「お座敷洋食 入
FOOD -
【大井町ランチ】きたなシュランから早12年、「ブルドック」のデカ盛り
FOOD -
【自分が気持ちいいことが大事!】STAY HOMEのファッションを極
FASHION -
【ロレックス、カルティエ、IWC…】男のロマンが詰まったパイロットウ
WATCH -
【CHANEL:シャネルのJ12編②】あなたの時計、見せてください!
WATCH -
【3分でわかる】歴代の日産スカイラインGT-Rを一気に振り返る
CAR -
本当にエモい店はここにある! 出会っちゃいけない両者がタッグを組んだ
FOOD
-
【ルイ・ヴィトンの新作バッグ】実用的かつシックなミニサイズが40男に
FASHION -
【ベンツの新型Cクラス発表】この満足感プチSクラス? いやそれ以上!
CAR -
【ロレックス、カルティエ、IWC…】男のロマンが詰まったパイロットウ
WATCH -
【シフトに問題が?】「プリウス」の長所と課題とは?
CAR -
1896年生まれの名品「ブルックス ブラザーズ」のボタンダウンシャツ
FASHION -
日本で はじめてゴアテックス®を登山靴に仕込んだ男の物語。登山靴の第
FASHION -
このクオリティで当時4万円以下! ウールリッチの底力を感じたダウンパ
FASHION -
ランチア・ストラトスHF。「サーキットの狼」世代のオッサン同士よ、ラ
CAR -
【植村直己や三浦雄一郎をも虜にしたゴローの登山靴】古き良きノルウェイ
FASHION -
【ルイ・ヴィトンでバレンタインサプライズ!】 エコラグな「黒」ペアウ
WATCH
COMMENT
無料会員をしていただくと、コメントを投稿できます。
ログイン 新規会員登録