LIFESTYLE ― 赤峰塾!間違いだらけの洋服選び

ドクトルの大阪探訪「民藝の思想に寄り添えるお気に入りのバー」

2019.12.14 2019.12.14
2019.12.14
ジェントルマン道を極めるドクトル赤峰とファッション界のレジェンドたちが、イマドキファッションの風潮やヤワな着こなし、ガッカリスタイルなどをスパッと一刀両断! 男として、あるいは女として、「清く、正しく、美しく」生きるために必要な服装術や、服を着ることの意味・意義をストレートに語り尽くします。

32年着ているスーツで、55年前にできた「リーチバー」へ行く

こんにちは、赤峰幸生です。私が大阪で定宿にしているのが、リーガロイヤルホテルグループの旗艦ホテル「リーガロイヤルホテル」です。特に気に入っているのが、1階にあるメインバー「リーチバー」です。フォルツァの読者の方でも愛用している男性は多いはず。

私の師でもある日本民藝界の親分、柳宗悦の遺志を継いだ陶芸家のバーナード・リーチの着想が隅々にまで染み込んだ空間は、まさに唯一無二。

訪れたことがない方はぜひ一度この独特な雰囲気を味わってみてください。今は全面喫煙ですが、来年4月から禁煙になるのが残念!

“イギリス人が考えた日本”

リーチバーは1965年(昭和40年)に、大阪ロイヤルホテル(現リーガロイヤルホテル大阪のウエストウイング)の誕生に際して、当時の社長の山本為三郎が「民藝の部屋を作りたい」と、日本民藝運動の先駆者であった柳宗悦に相談したのがきっかけ。その計画は柳氏の死後、英国の陶芸家であるバーナード・リーチが引き継ぎました。

バーナード・リーチの自由奔放な着想を、日本建築の大家である吉田五十八が英国カッテージバーとしてそのまま具現化。バーナード・リーチだけでなく、日本民藝の同人である濱田庄司(陶芸)、河井寛次郎(陶芸)、芹澤銈介(型絵染)、棟方志功(板画家)らも協力し、その作品を飾っています。

――赤峰さんのこの連載で、柳宗悦は何度も出てきます。

赤峰 柳宗悦は僕の神さまですからね。大阪で仕事を終えて、食事をしてホテルに戻って、就寝前に一杯飲んでという至福がここにあるんですよ。リーチバーができて55年になるそうですが、きっとできたばかりの頃に来たはずで、内装や調度品が当時とまったく変わってない。素晴らしいね、大阪が世界に誇る有形文化財ですよ。

――リーチバーのどんなところが気に入っているんですか。

赤峰 このバーが凄いのは“イギリス人が考えた日本”なんですよ。斜めに配置されたレンガや藤蓆(むしろ)の流れ、ペルシャ絨毯、飾られている民藝作家の作品まで、イギリス人の目線でデザインされていて、そこが凄い。

――音楽もなくて、とても静かで、美術館の中でお酒を飲んでいるようです。

赤峰 お昼前から営業しているバーなんだけど、落ち着けるでしょ。お酒はもちろん、ドライフルーツのつまみも美味いよ。

――この木製のチェアが、味があって凄いですね。

赤峰 「美しい」とはこういうことですよ。この空間にいると、曲木の椅子に気持ちが自然とフィットしてくる。家具もインテリアもオープンから変わらぬスタイルで、ホテルもお客さんも本当に大事に大事に使っているんですよ。

――バーテンダーの佐藤有人(なおと)さんが「グレンモーレンジィ」を持って来ましたよ。

赤峰 僕がやっていたブランド「Glenover(グレンオーバー)」のロゴは、このシングルモルトウイスキー「グレンモーレンジィ」のラベルデザインにインスパイアされたんですよ。

――それは初耳です!

名物は、銅のマグカップでサービスするジントニック

赤峰 ホテルにあって、入口から中をのぞけるオープンなバーって珍しいですよね。どんな人が利用しているんですか。

佐藤 午前11時オープンなので、レストランで食事をする前に食前酒を飲まれる方や、会員制のフィットネスジムで汗を流された後にビールを飲みに来られる方、宴席や結婚式、催し物の前後や待ち合わせ、もちろんお一人でくつろぐお客様も多いですね。

赤峰 アルコール以外のメニューもあるんですか。

佐藤 ソフトドリンクはもちろん、ホットコーヒーもございます。というのも、アイリッシュコーヒーというカクテルのために用意しているコーヒーをお出ししています。

赤峰 それにしても、いつ来ても良い空気が流れていますね。

佐藤 ありがとうございます。赤峰さんはよくご存知ですが、リーチバーはオープン当時のスタイルをずっと貫いています。ホテルのバーとしてスタンダードなメニューを揃えていて、ジントニックは銅のマグカップでサービスするのが名物となっています。

赤峰 佐藤さんは日本の民藝運動はご存知でしたか。

佐藤 リーチバーに勤めて6年ほどになりますが、当初は民藝運動のことはまったく知りませんでした。お客様の方が詳しいので、働きながら教えていただき、このような空間で仕事ができる環境がとても貴重なことを徐々に理解していきました。

赤峰 お客さんの言葉で印象的なものはありますか。

佐藤 50年ほど前からご来店になっているお客様が、「木製の椅子は、昔はお尻が痛かったけど、年月とともに木が人間の形に合ってきた」とうれしそうにお話ししていただきました。

赤峰 それはいい話ですね。今日は本当にありがとうございました。

リーガロイヤルホテル
大阪府大阪市北区中之島5-3-68
Tel.06-6448-1121(代表)
リーチバー
Tel.06-6441-0983
月~日 11:00~24:00(ラストオーダー23:45)無休

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ジャパン・ジャントルマンズ・ラウンジ
http://j-gentlemanslounge.com

Photo:Shimpei Suzuki
Text:Makoto Kajii

Author profile

梶井 誠
梶井 誠
Kajii Makoto

今はなき講談社のメンズファッション雑誌『Checkmate(チェックメイト)』編集部のファッション班を経てフリーランス。セレクトショップのカタログやメンズ雑誌のファッションページの取材・原稿を担当。SKE48箱推し、フィロのス・奥津マリリ推し、ジュビロ磐田サポーター。1961年福井県出身。©Seo Hiroshi

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赤峰幸生

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